■個性豊かなスーパーハイトワゴン市場 気になるライバル車の特長は?
スペーシアギアとタントファンクロスは、デリカミニと同様、全高が1700mmを超えるスーパーハイトワゴンだ。スペーシアギアの特徴は、収納設備が豊富なこと。
助手席の前側には、フタが上に向けて開くアッパーボックス、その下には引き出し式の収納設備、最下段にグローブボックスも備わる。助手席の下にも大容量のボックスが配置され、ハンドルが装着されているから車外へ持ち出せる。
タントファンクロスは、左側のピラー(柱)をスライドドアに内蔵させた。そのために左側の前後のドアを両方ともに開くと、開口幅が1490mmに広がる。雨天時などはワイドな開口幅を生かしてベビーカーを抱えて車内に入り、子供を後席のチャイルドシートに座らせ、降車しないで運転席まで移動できる。
このようにタントは便利な機能を備えるが、現行型は後席の背のたれを前側に倒しても、座面が連動して下がらず、床の平らな荷室にならない。荷室床面の後端に装着されたデッキボードを持ち上げると平らになるが、床の位置が高まる。デリカミニやスペーシアギアとは、荷室の使い勝手が異なるので注意したい。
ハスラーとタフトは全高が少し低く、1600~1700mmに収まる。両車ともスライドドアは装着していない。ハスラーのシートアレンジは、ワゴンRとほぼ同じだ。
後席の背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がり、平らで広い荷室に拡大できる。後席には前後スライド機能も備わり、前述の格納操作を含めて左右独立式だ。ハスラーのシートアレンジはワゴンRと同様で、全高が1700mm以下の軽自動車では充実している。
タフトはハスラーのライバル車だが、重視する機能が異なる。後席のアレンジは単純で、背もたれを前側に倒すだけだ。スライド機能はなく、後席は背もたれを倒して荷室として使うように開発されている。そのために前席と後席では内装の色彩も異なり、居住空間と荷室の違いを明確に表現している。
その代わりタフトは装備を充実させた。132万円のXにも、ガラスルーフのスカイフィールトップ、電動パーキングブレーキ、LEDヘッドランプ、サイド&カーテンエアバッグなどを標準装着している。価格の割に装備を充実させ、ハスラーとは異なる価値を備えている。
以上のようにSUV感覚の軽自動車は、機能の特徴に基づいて、好みや用途に合った車種を選びたい。車中泊などを楽しむユーザーは、快適に寝るためのマットなど、ディーラーオプションの内容にも注目したい。楽しいカーライフが待っている。
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