「キア」なぜ北米・欧州で人気? 韓国自動車メーカー大注目モデル3選

「キア」なぜ北米・欧州で人気? 韓国自動車メーカー大注目モデル3選

 2022年世界販売台数のトップ3が、「トヨタ」、「フォルクスワーゲン」、「ヒョンデ」となった。今回は、躍進を続けているヒョンデグループ傘下の「キア(起亜)」について解説。キアの日本上陸はまだだが、北米や欧州市場で人気を博している。どのようなメーカーであり、なぜ人気なのかなどを考察していく。

文/吉川賢一、写真/KIA、Hyundai

■販売台数で世界3位まで躍進してきたヒョンデグループとキア

ヒョンデが日本に投入した電気自動車のIONIQ5。価格は479万~589万円
ヒョンデが日本に投入した電気自動車のIONIQ5。価格は479万~589万円

 2022年に日本再上陸を果たした韓国の自動車メーカー「ヒョンデ」。バッテリーEVの「IONIQ5」と燃料電池車の「NEXO」を引き連れて、再上陸したヒョンデだが、なかでもIONIQ5の出来の良さには驚かされた。そのヒョンデと同等以上に注目をしておきたいのが、ヒョンデ傘下の自動車メーカー「キア(起亜)」だ。

 キアの創業は1944年のこと。創業初期は「京城精工」という社名で、自転車やオートバイ(ホンダのカブ)を製造していたが、やがて、マツダのオート3輪やトラックのノックダウン生産(部品として製造して納品、現地で組み立てる方式)を担当、他国の自動車製造のノウハウを集めながら、自社ブランドモデルとしても製造販売するように。

 1980年代にはフォードが資本参加、フォードのワンボックス車や乗用車の生産も行い成長していった。同時に北米輸出も行うようになり、1990年には「起亜自動車」へとブランド名を変更した。だが、韓国で1997年に起こった金融経済危機が発端となり、1998年に起亜自動車は経営破綻、ヒョンデ傘下につく。

 その後、ヒョンデの元で経営を立て直すことに注力し、現在はヒョンデと多くの部品を共用、海外市場に優れたクルマを輸出している。ちなみに2021年には、社名を「起亜(キア)」へと変更している。

 2022年のヒョンデ-起亜グループの世界販売台数は、684万8198台で第3位(第1位はトヨタ1048万台、第2位はフォルクスワーゲン826万台)。このうちヒョンデは394万4579台で、前年比では1.4%増、キアは290万3619台で前年比4.6%増と、目下躍進中だ。

 ちなみに、ホンダは387万0161台(前年比6.4%減)、日産は322万5549台(前年比20.7%減)、キアはすぐそこまで肉薄している。なかでも、以下で紹介するキアのクルマは評価が高く、また売れ行きも順調で、キアの販売を伸ばす原動力となっている。

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