人気SUVのトヨタ「RAV4」に、ランクル並みの車高を持つ特別仕様車登場! 果たしてその実力は?
2020年10月2日、トヨタは特別仕様車のRAV4「Adventure“OFFROAD package”(アドベンチャー“オフロードパッケージ”)」を発売。RAV4「アドベンチャー」をベースに、最低地上高を10mmアップの210mmとし、悪路にも対応したオールテレインタイヤを採用するなど、走破性に特化したモデルだという。
210mmといえば、ランドクルーザープラドの最低地上高220mmに迫り、競合するライバルSUVと比較しても高い値。果たしてそのスペック通りの実力を持っているのか? さっそく試乗してみた。
文/国沢光宏、写真/池之平昌信、TOYOTA
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■走破性に特化したRAV4オフロードパッケージは異例な特別仕様
最近のトヨタは元気いっぱいだ。バランスのよいお利口さんより、飛び抜けた個性を持つクルマを作ってきます。
SUVの場合、本来ならコンディションの悪い道を走れることをストロングポイントにすべきクルマながら、タワーパーキングに入るよう車高を落としたり、静粛性やドライ路面のハンドリングを追求するなど逆方向に進む傾向。
実際、特別仕様車と言えばローダウンしたモデルばっかり! 私が知る限り車高上げた特別仕様車って日本じゃ初めてです。
参考までに書いておくと、東京オートサロンでも大阪オートメッセでも直近の1~2年はハッキリ車高上げる方向のドレスアップが人気。トヨタだけキャッチアップしてきた。写真見てもカッコいいでしょ?
素晴らしいことに日本車じゃ極めて珍しくオールレテインタイヤを履いている! 乗用車ベースのSUVに装着されているタイヤは、燃費や舗装路性能、静粛性などを考え普通のオンロードタイヤ。
オフロード用タイヤの中じゃ舗装路にも対応しているオールテレイン(全ての路面)といえども、普通タイヤと比べたら圧倒的に悪路で強い。
その代わり燃費が落ちたり、舗装路での快適性は落ちる。けれどオフロードパッケージに装着されているファルケンの「ワイルドピーク」というオールテレイン、カタログ燃費が標準車と同じ。
オンロードでの乗り心地やハンドリングも大差ないという。オンロードでの性能が良いと聞いていたけれど、純正タイヤとして使えるとは思っていなかった。
■純正で履く全路面対応タイヤ履くRAV4の本気度
写真を見れば解るとおり試乗した日は好天だったものの、雨に日も同じコースを走ってみた。
傾斜路もモーグルも登下坂路も鉄のラダーのため、雨だと当然ながら滑る。開発担当者に聞いてみたら普通のタイヤだと雨の日は厳しいという。なかでも坂の途中で停止してからの再スタート性能が大きく違うという。トレッドゴムが柔らかいためです。
オールテレインの強さはそれだけじゃない。
砂利道で最も手強いのが尖った石や岩。普通のタイヤだと柔らかいタイヤ側面を壊してしまう。写真の通りオールテレインだとサイドまでプロテクション効果の高い凸凹が回り込んでいる。洪水など自然災害を受けた道を走るときなども絶大な効果を発揮してくれることだろう。
いずれにしろオールテレインタイヤがRAV4をスーパーマンのようにしてくれている。よくぞこんなタイヤを選んだものだと関心しきり。
私のボルボ XC60も車高上げてオールテレインタイヤを履きたくなってしまった。最初からそうなっているRAV4のオフロードパッケージは素晴らしいです。15万円しか変わらないし。
ちなみに今回用意されていた“悪条件”は3つ。
クルマを大きくロールさせる「傾斜路」と、対角線のタイヤの接地荷重をゼロにしてスタックさせる「モーグル路」、そして前が空しか見えなくなるほどの登り坂&同じ傾斜の下り坂となる。
これを激しくしていくと、傾斜路で横転し、モーグルから抜け出せなくなり、登れず転げ落ちてしまう。
以前、ランドローバーのオフロード走行カリキュラムを受講したが、何台か横転し、何台か人工池から登れなくなり、何台か下り坂で文字通り「落下」した。サーキット走行のクラッシュのようなもの。
ちなみに、「オフロード」と「ラフロード」は根本的に違う。ラフロードって基本的に荒れた「道」。オフロードはそもそも道じゃない。
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