新型CX-8にみるマツダの進化とこだわり「意のままの走り」に秘密あり!!

注目の3列目は「使える」ものなのか?

CX-8のリアスタイル。3列目の居住性はデザインの犠牲となりやすく、乗り心地もタイヤに近いため悪くなりがちだが、どうか?
CX-8のリアスタイル。3列目の広さはリアデザインの犠牲となりやすく、乗り心地もリアタイヤに近いため不利だが、そこをどう仕上げている?

 この手の車で一番気になるのが3列目の居住性。マツダではこの3列目に注力したとの説明。座ってみる。座面は短く床まで低いので若干体育座り。

 これはどんなモデルでも同じだが、左右を含めた上半身の空間に余裕を感じる。それと背もたれが分割式の割にはクッション性も良く、特に座面のクッション材が厚いので体育座りもそれほど苦にならない。

 そして、この3列目に座っていても、走行中に運転者と声をはりあげることなく会話が可能だ。つまり静粛性が高いのだが、ものすごく静かなわけではなく、人の声の周波数帯が良く通るように作り込まれている。

 この点は、CX-5以降、最近のマツダが大きく進化した点で、車内ノイズが耳障りでない。

 ハンドリング面ではボディの剛性感が高く、『Gベクタリング』もより効果的にセットされなおし、フロントにリバウンドスプリング(ダンパー内にバネを入れた機構)を採用し、横Gが高い時にはロール(車体の傾き)を抑えるが、それ以外ではしなやかなストローク感だ。

マツダが考える「楽しさ」の秘密は“ある指標”に隠されていた

スムースに走る。一見、簡単に思えるが、ドライバーがハンドルを切った通りに車が曲がり、アクセルを踏んだ通りに加速し、ブレーキを踏んだ通りに止まる。「操作と車の動き」をマッチさせることこそ、マツダの考える「楽しさ」であり、それが躍度に表れている
ドライバーがハンドルを切ったイメージ通りに車が曲がる。「操作と車の動き」をマッチさせることこそ、マツダの考える「楽しさ」の指標=躍度

 ところで、今回の雪上試乗会でのテーマは「躍度」(やくど)。マツダの試乗会は、毎回面白いアプローチで車の開発状況を説明してくれるのだが、躍度という名称にはこのボクも驚いた。躍度とは加速度の変化率のこと。もっとわからなくなりましたね。

 止まっている、あるいは走行している状態から加速し、目的の速度に達するまでにかけた時間、また逆の減速にするまでの時間。

 加減速にかけた時間が短いほど躍度は高くなり、逆は短くなる。ちょっとわかってもらえましたか? 躍度。

 それで、雪道では躍度が高いと空転して滑ります。その違いをFFモデル、4WDモデル、オールシーズンタイヤ、スタッドレスタイヤの組み合わせで経験。

 雪道でスムーズな運転をし、なおかつ意のままに動かす楽しさを体験。つまり、躍度は楽しさのバロメーターなのです。なかなか興味深い試乗会でした。

スムーズな運転は、アクセルを踏んだイメージと車の加速がマッチしていないと不可能。雪道こそ、そうした車の出来を計るにはもってこいの舞台
アクセルを踏んだイメージと車の加速がマッチしていないとスムーズな運転は不可能。雪道こそ、そうした車の出来を計るにはもってこいの舞台なのだ

 ところでCX-8ですが、雪道はアスファルト路面と違い大小さまざまな凸凹があり、これが細かな振動となってキャビンに伝わってきます。

 そのレベルが非常に小さく、乗り心地が良い。しかも、滑りやすい雪道でのグリップレベルが高い。4WDの性能も高く、テストコースだけでなく一般道の雪道も安心ドライブができました。

凹凸のある積雪路をゆくCX-8。雪道では適切な駆動力を伝えつつ、路面のショックをいなす足回りの実力が試される
凹凸のある積雪路をゆくCX-8。雪道では適切な駆動力を伝えつつ、路面のショックをいなす足回りの実力が試される
FFのデミオ(上)と4WDのCX-5。さまざまな駆動方式を雪上で乗ることで、マツダの車作りの原点が見えた
FFのデミオ(上)と4WDのCX-5。さまざまな駆動方式を雪上で乗ることで、マツダの車作りの原点が見えた

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