ボディサイズを拡大し、エッジの効いたデザインを採用
一方、新エンブレムを纏った初のモデルとして2022年4月に308は登場。内燃機関だけでなく、EVにも対応したEMP2というプラットフォームを採用した現行型308のボディサイズは全長4,420mm×全幅1,850mm×全高1,475mm。先代モデルより全長+145mm、全幅+45mm、全高+5mと大幅にサイズアップしている。
新エンブレムを採用した大きく印象的なフロントグリルは奥行きのある空間を感じさせる独創的なデザインを採用。ヘッドライトにはプジョー初の超薄型マトリクスLEDヘッドライトを採用し、彫りの深いスリムなデザインは高い空力性能とアイデンティティを創造している。
また低く滑らかなノーズにより、ボンネットを視覚的に長く見せる効果を発揮。高い空力性能を実現するため、ボディプレスのシャープさや精度の向上など様々な工夫を取り入れている。そして、大きく張り出したフロント&リアフェンダーにより、躍動的で力強さを表現している。
インテリアは、プジョー独自のiコクピットをさらに進化させた、新世代のiコクピットとiコネクトと呼ばれる最新のインフォテイメントシステムを搭載。
新型308のコクピットは、運転席側に傾けられたドライバーオリエンテッドなレイアウトが特徴で、適度な包まれ感のある空間を演出。さらに、新世代のオートマチックセレクターを採用し、指先でスムーズな操作が可能となっている。
運転支援機能は従来モデルではステアリング裏側のコラムに操作スイッチを設置していたが、ステアリングパッドの左側に集約することで、より安全に使いやすくなっている。
試乗したGTにはiコネクトアドバンスドが搭載されており、プローブ交通情報を活用した広域リアルタイムトラフィック情報を得られる。さらに、ボイスコントロール機能を備えており、音声認識コマンド「OK、プジョー」で起動し、ナビやエアコンなどの操作が可能だ。
搭載されているパワートレインは、最高出力130psを発生する1.2L直列3気筒ターボをはじめ、今回試乗した最高出力130ps、最大トルク300Nmを発生する1.5L直列4気筒ディーゼルターボ。そして、1.6L直列4気筒ガソリンターボエンジン+モーターのPHVの3種類。
駆動方式は全車2WD(FF)のみで、トランスミッションは8速ATが組み合われている。今回試乗した308GT BlueHDiの燃費性能はWLTCモードで21.6km/Lとなっている。
ゴルフの薄いフロントマスクと段差の少ないボディは高い空力性能を感じさせる。一方のプジョー308は新エンブレムを採用したフロントグリルにより存在感をアピール。ボンネットを長く見せるデザインにより、シャープだが増している。
インテリアはゴルフ、プジョー308ともに液晶パネルを採用し、デジタル化が進んでいるが、ゴルフは10色のカラーから選べるインテリアアンビエントライトを採用。質実剛健さとシンプルな空間からオシャレな空間へと転換している。
ラゲッジ容量はゴルフは5人乗車時で380L、分割可倒式のリアシートをすべて折り畳むと1,237Lまで増加する。一方のプジョー308は、5人乗車時で412L、最大で1,323Lとボディサイズが大きいメリットが出ている。
ADASと呼ばれる先進の運転支援システムは両モデルともに充実していて、甲乙付けがたい。しかし実際に試乗すると想像以上に違いがあった。
ゴルフTDIアクティブアドバンスが搭載しているのは2L直列4気筒ディーゼルターボエンジン。プジョー308GT Blue HDiは1.5L直列4気筒ディーゼルターボエンジンと排気量が500cc異なっている。
その排気量差だけではないと思うが、ゴルフに比べるとプジョー308はディーゼル独特の音と振動がかなり大きめだ。特に信号待ちなど停止した状態では大きく差がある。
そして乗り味も大きく異なる。ゴルフがフラットな乗り味に対して、プジョー308はややロールが大きめながらスポーティな味付けだ。峠などを走行する時やショートレンジならば、プジョー308の躍動感溢れる走りは愉しそうだが、ロングレンジのドライブだと疲れやすい感じがした。
ベンチマークであるゴルフとの差別化という点においては、違いを主張しているプジョー308。快適性という点ではゴルフに軍配が上がると感じた。
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