■ハンドリングはどのクルマが一番?
この4車のなかで「スポーティ」とすぐに感じるのはボルボV40。足が固めだが低重心ボディと応答性の高いモノチューブダンパーを採用していることもあり接地感も抜群、思いどおりのラインにトレースしていく。
V40と同様、スポーティさをウリにするAクラスはどうか?
ボディ剛性は堅牢そのもの。それが功を奏しているのかリアの接地感は安定しており、ステアリングレスポンスはメルセデスらしからぬ俊敏さ。
さて、肝心のゴルフはどうか? まずDCC(減衰力可変ダンパー)付きのTSIハイライン。
さっそくコーナーで試してみたが、ステアリングを切り込んでいくと、ノーマルモードでもリアサスが粘ってくれ、ビシッと安定。DCCをスポーツモードにすると固くはなるものの、快適性を残したセッティング。それでも舵角の大きいタイトコーナーを攻めると明らかに足が固くなっているのがわかり、スポーツ走行も可能というのがわかる。
DCCなし、ノーマルのハイラインも試したが、リアマルチリンクサスの路面に対しての追従性は高く、大きく印象を変わることはなかった。
いっぽう、リアサスがトーションビームとなるTSIコンフォートラインはハイスピードで攻めないかぎり、マルチリンクとの違いはわからないと思う。
スポーティさならV40、しなやかで安定感のあるハンドリングをお望みならゴルフTSIハイラインである。
●ハンドリング
・VW ゴルフ1.2:7
・VW ゴルフ1.4:8
・トヨタ プリウス:6
・ベンツ Aクラス:7
・ボルボ V40:8.5
■乗り心地は激戦必至か?
今回のテスト項目のなかで、一番多く聞かれたのが「乗り心地どうだった?」。
路面状況や人の感じ方によって印象も異なってくるのが乗り心地だが、試乗した、いろんな人の意見を集約しまとめてみた。
文句なしに一番はゴルフTSIハイラインのDCC付き(特にコンフォートモード)。これはもう走り始めて3mもしないうちにわかるほど。街中でも高速道路でも上質でしっとり。話には聞いていたが、ここまで凄いとは思ってもみなかった。
次にゴルフTSIハイラインのノーマルサスペンション仕様。入力に対しての、いなし方がより滑らかなのがDCC付き。
この次にいいのが、DCCなし、ノーマルのゴルフTSIハイライン。DCCなしでもその上質さに驚くと思う。
次にボルボV40T4(16インチタイヤ)。ハンドリングのスポーティさとしなやかな乗り心地を両立しているところがV40T4のよさ。リアサスがトーションビームとなるTSIコンフォートラインはこのあたりの順位となる。
マイナーチェンジでだいぶよくなったプリウスだが、それでもまだまだ乗り心地の上質さが足りない。プリウス(17インチタイヤ)はボルボV40 T4SE(17インチタイヤ)より少し落ちるといった印象だ。
しなやか、上質さからほど遠かったのがAクラス。ただ街中ではばたつき、細かい突き上げが多い半面、路面のいい高速道路ではフラットな乗り心地に一変する。おそらくランフラットタイヤが影響しているのだろう。
●乗り心地
・VW ゴルフ1.2:9
・VW ゴルフ1.4:10
・トヨタ プリウス:7
・ベンツ Aクラス:6
・ボルボ V40:8
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