ただでさえレベルの高い新型シビックタイプRの走りを、さらにグレードアップするモデューロの純正アクセサリー「テールゲートスポイラー」。サーキットなどに出かけなくても、ワインディングや高速といった日常のシーンで空力効果が体感できるアイテムとして話題だ。
はたして本当にすごいのか? 今回はチューニング業界で活躍する自動車ジャーナリストにタイプRのステアリングをあずけ、「街乗り」「高速道路」「ワインディング」という3つのステージで「テールゲートスポイラー」の効果を確認してもらった。スポイラー付きのクルマに山ほど乗ってきた男はいったいなにを感じ、どんなジャッジを下したのだろうか!?
文/加茂 新、写真/池之平昌信
【画像ギャラリー】美しさもピカイチ! テールゲートスポイラーをじっくり見る!(21枚)画像ギャラリーリアスポイラーはコーナリングに弱い?
ホンダアクセスが、2008年にFD2型シビックタイプRから取り組んでいるのが『実効空力』というキーワード。日常速度域からでも体感できる空力効果のことで、速さを狙うためのものではなく、「誰でももっと安心して、気持ちよく走れる」ということを目標に開発している。
そこで今回の新型シビックタイプR向けに開発されたのが、純正アクセサリーの「テールゲートスポイラー」だ。ノーマル車でもこの部分にはウイングが設けられているが、そのステーはそのままにウイングのみを交換するタイプ。翼断面形状が異なり、材質もドライカーボン製。価格は27万5000円だ。
そして、下面に設置されているのがキーとなるシェブロン形状の実効空力デバイスだ。
シェブロンとは山形のパターンのことで、この「テールゲートスポイラー」ではウイングの下面にギザギザの鋸歯形状の造形が配置されている。ここがまっすぐでないことであえて小さな乱流を発生させることで、より多くの場面で体感しやすくなっているのだという。そもそもウイングは古くからあるもので、走行風の効果によってボディを下面に押し付ける役割がある。もしくはボディが持ち上げられるのを防ぐもの。それによる効果は1970年代からレースで実証されてきたが、難しいのはクルマは曲がるということ。
いつも真っ直ぐに走っていれば、ウイングはフラットな形状で良いのだが、クルマは曲がる乗り物。ストレートでは良くても、ちょっと曲がりだすとフラットな羽ではその効果が弱くなりやすかった。直進では良いが曲がりだすと急にリアが不安定になる、といったことがレースの世界では言われていた。
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