■ベストカーWeb編集長が語る「KINTO Unlimitedでプリウスに乗る」大きな意味合い
さて、新型プリウスが魅力的なのは言うまでもないのだが、従来までの「購入」から「サブスクリプション」、つまり月額定額制で利用することも大いに検討したいとベストカーWebの寺崎彰吾編集長はKINTO Unlimitedで利用できる新型プリウスのUグレードについて、次のように語る。
「先代プリウスのうち、車両価格がUグレード(299万円)と同じ水準のS“ツーリングセレクションBlack Edition”(294万7000円)を、従来のサブスク『KINTO ONE』で利用した場合の月額利用料は2万2220円(7年間、ボーナス月加算16万5000円の場合)でした。 ところが、Uグレードだと、月額はなんと1万6610円(7年間、ボーナス月加算16万5000円)です。車両価格はほぼ同じにもかかわらず、Uグレードは先代より月額で6000円ほど、率にして10%割安になっているのです。 あらゆる商品が値上がりしている今の世の中で、これは見逃せません。また、現在の納車目途は3カ月程度を見込んでいるようです。 新型プリウスに手軽に乗りたいのなら『購入』もいいのですが、こっちを使わない手はないでしょう」
※月額と総額は7年プラン、ボーナス月加算16万5000円(税込)、Uグレード(標準内装仕様/2WD)、最安値パッケージ、追加オプションなしの場合。
「ここで注目したいのは、先進サービスを追加することが月額利用料の低減につながることです。KINTO UnlimitedはこれまでのKINTO ONEに比べてサービス面が大幅に増強されています。にもかかわらず、月額利用料はこれまでの先代型プリウスよりも値下げされている。クルマの価値を維持することで価格も低減したという面が大きなポイントになります。半導体不足や原材料の高騰で新車の価格が軒並み上がっている今、KINTO Unlimitedはサブスクがその存在感を増していくひとつの起爆剤になるかもしれません」(寺崎編集長談)
ここで、これまでのKINTOと新サービス、KINTO Unlimitedについて説明しておこう。
KINTO ONEは2019年7月から全国サービスが始まったサブスクリプションで、車両価格だけでなく登録時に必要な諸費用のほか、使っている間の任意保険や自動車税、メンテナンス代などの諸経費をすべて月額利用料に含めたものだ。
レンタカーやカーシェアと異なるのは登録ナンバーが「わ」ではないことで、任意保険までカバーすることでリースよりもよりユーザー側に立ったサービスなのが特徴。もちろん、マイカー感覚で長期間使用できる。2022年11月末までに5万2000件もの申し込み数となっていて右肩上がりの状況となっている。
■KINTO Unlimitedはアップグレードとコネクティッドで「クルマの価値」を守る!
この進化版となるKINTO Unlimitedは、これまでのKINTO ONEに「進化」(アップグレード)と「見守り」(コネクティッド)を加えた新しいサブスクリプションサービスだ。具体的にはこのふたつを加えることで、クルマの価値を維持してその分をあらかじめ月額利用料の引き下げに充てている。
KINTO Unlimitedはソフトとハードの両面から「進化」(=アップグレード)を展開する。ソフト面では「OTA」(Over The Air)を通じたソフトウェア更新により、衝突被害軽減ブレーキを含めたToyota Safety Senseをその都度、最新のものに進化させていく。費用についてはサブスクでの月額利用料に含まれるため、ユーザーの追加負担はないのだが、これはトヨタ初の試みとなる。
続いてハード面のアップデートは、こちらはユーザーが契約したクルマ、つまり新型プリウス1.8Lハイブリッドの「U」にはあらかじめ「アップグレードレディ設計」を施しているため、ユーザーニーズに合わせたハードの装備や機能の後付けが可能なのだ。
このアップグレードレディ設計は配線の調整やセンサーの取り付けなどといったアップグレードのために必要な施工作業の大部分をクルマ側にあらかじめ織り込んでおくことで実作業の簡素化を可能とさせる設計。例えば、ブラインドスポットモニターの場合は従来13時間かかった作業時間が3時間に短縮できる。これもトヨタ初の試みとなり、アップデートを前提にした開発がされていることは極めて異例と言えるだろう。
ハードのアップデートは2023年年央から始まり、ブラインドスポットモニターやパノラミックビューモニター、ステアリングヒーターなどからラインナップされるという。今後登場予定の装備や機能などもその都度つけられるようにアイテムは拡充されていく。
続いてふたつ目の「見守り」(=コネクティッド)。これはトヨタのコネクティッド技術を使ってユーザーのデータを収集し、分析することから始まる。メーカーならではの幅広い観点から通常のドラレコでは取れないような安全でエコな運転アドバイスが受けられることがポイントになる。
また、「コネクティッドカーケア」としてエンジンオイルの劣化の度合いにも注目。クルマの使い方は人それぞれ違いが出るため、一律で皆が同じタイミングでオイル交換を実施するのは無理がある。そこで、そのやり方を変えてユーザーごとに最適化されたメンテナンスタイミングが提案されるのがコネクティッドカーケア。つまり、従来からのメンテナンスの概念が変わるということだ。
なお、アップグレードとコネクティッドの提供開始に向けて2023年2月をめどに、KINTO Unlimited専用アプリを公開する予定だ。
いずれにせよ、KINTO Unlimitedは新しい先進技術を使って「クルマの価値を守る」という発想自体が斬新だ。今回のこのサービスを始めるためにトヨタ自身がクルマ作りを変えてきたことで、その本気度が伺い知れる。
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