【初代レガシィ】1989年2月発売された初代レガシィ。ツーリングワゴンも初代から設定され、セダン同様ヒット。ここから伝説(レガシィ)が始まった
【スバルのフラッグシップとして】これまでのスバルの屋台骨を支えてきたレオーネの上級車種として、また北米での販路拡大のため開発された「レガシィ」当時決して順調とは言えなかったスバルが乾坤一擲の勝負に出たクルマでもあった
【2代目】1993年10月に発売。基本的には初代の発展型となった。他社の同クラス車が大型化するのに対し、5ナンバーサイズを堅持するなどこだわりを見せた。この代よりEJ20型はツインターボとなり、後期型では280psまで登り詰めた
【2代目インパネ】初代に比べてもシンプルに見えるインパネ。ドライバーオリエンテッドな操作系を追求したらこうなった……らしい。当時のスバル車共通の悩みである内装の質感の低さが露呈してしまっている
【3代目】1998年6月に発売。この代よりスバル自慢の4WD車のみの設定となった。セダンがB4として独立。よりSUV性に特化した「ランカスター」もツーリングワゴンから独立した現在に続くフォーメーションを確立した
【3代目インパネ】丸みを帯びたインパネ周り。木目調の意匠パネルも採用するなど質感向上に頑張りは見える。この代よりマッキントッシュのオーディオもオプション装着可能となった
【4代目】2003年5月に発売。衝突安全性の観点から拡幅。初めて3ナンバー車(それでも全幅1730mmだが)となった。従来型のネガを潰し込んだ結果、非常に完成度の高いモデルとなった
【4代目インパネ】ナビ搭載を前提とした収まりのいいデザインを採用。内装も先代までとは一線を画す完成度の高さを誇った。また2008年モデルからはステレオカメラタイプの衝突安全装置「アイサイト」が搭載された
【5代目】2009年5月発売。北米市場をを重視の結果、ボディの大型化、重量増、サッシュドアによる見た目の変化……などが日本で物議を醸し、ファン離れが加速度的に進んだ。結果的にツーリングワゴンはこの代で終了し、レヴォーグ誕生のきっかけとなった
【5代目インパネ】ボディ拡大の恩恵を享受すべく、当時まだ珍しかった電制パーキングブレーキの採用など気合の入った室内(プリウスですら足踏み式だった)だが、どこか大味で再び質感の低下を指摘されるハメとなった
【レガシィからレヴォーグへ】2014年10月発売。今後も北米市場を重視せざるを得ないレガシィの日本販売継続に限界を感じたスバルが敢えてダウンサイズを決断し投入したのが「初代レヴォーグ」だった。その決断は英断だったと思う
【レガシィを引き継ぐもの】話は少しさかのぼるが、2代目をベースに最低地上高をかさ上げして走破性を高めて登場したのが「グランドワゴン」だ。まさか30年後の今に続くモデルになるとは想像もつかなかった発想の転換の勝利である名車だ
【アウトバック】その後「ランカスター」への改名を経て、「アウトバック」となり現在に至る。5代目で消滅してしまったツーリングワゴンの支流がいつの間にか本流へ
【アウトバックインパネ】ゆったりとしたアメリカンサイズはアウトバックでは美点として昇華。見切りもいいスバルの伝統も活きており、日本でも市民権を得たきっかけとなった
【5代目ワゴンの反省活きてます】先代アウトバックの広報資料。「ソフトパッドを随所に使用」を強調している。そう、5代目の質感の退化はインパネがコンパクトカー並みのハードプラスチック製が引き起こしたことだったのだ
そして昨年登場の現行「レガシィアウトバック」この大きなボディにもCB18エンジンが搭載される。レヴォーグ以上に燃費には厳しいことになるだろう。やはり北米にはあるPHEV仕様など、電動化への対応は急務ではないか?
【レヴォーグのおさらい】日本におけるスバルのフラッグシップは「レヴォーグ」ゆえ、先進装備の搭載はレヴォーグからとなる。自動運転レベル2上でも最高ランクの運転支援システムを誇る「アイサイトX」も、レヴォーグから搭載された
【目を引くセンターパネル】11.7インチのセンターディスプレイがインパネ中央部を占拠する。通常のナビシステムも装着可能だが、やはり現行レヴォーグには装着したいシステムだろう
【安全装備にも抜かりなし:1】ボルボが先鞭をつけた歩行者保護エアバッグがついに日本車にも! レヴォーグの低いボンネットでは人と衝突した場合、ボンネットを飛び越えフロントガラスに衝突する恐れが高い。その際に頭部を保護する役割がこのエアバッグなのた
【安全装備にも抜かりなし:2】シートエアバッグ。万が一エアバッグ作動時に乗員が適切な位置にいないと逆に加害受傷の可能性が高くなる。シートエアバッグは適切な着座姿勢になるようなサポートをしてくれるエアバッグなのだ
【SGP】Subaru・Global・Platformの略。スバルは剛性的に不利になりやすいピラーレス車やワゴン車での車体剛性確保に早くから着目・開発を進めていた稀有なメーカーであり、そのノウハウはSGPにも余すところなく活かされている
【広いラゲッジスペースのほかに……】高い車体剛性を確保しながら、このアンダースペースも確保している。この実用性の高さはスバル車ならではである
【2022年モデルでB型へ】今回の目玉は北米向けダウンサイジングエンジンとして設定されていた2.4Lターボエンジン「FA24」が国内にはハイパフォーマンス仕様として投入されたことだろう
【リアルトロニックCVTも……】大容量化されるとともに「スバルパフォーマンストランスミッション」と新たな名称も与えられた。CVTらしいワイドレシオ(6.9)ながらよりローギヤード化しており、最大8速までステップアップする
SUV全盛のなかでも孤高のポジション化になりつつも(実際にはドイツ勢にはシューティングブレーク仕様が存在するが)確実にファンの心を鷲掴みする魅力ある改良を継続し、進化を続けてもらいたい