スバルはひとつのプラットフォームでさまざまな車種を作り分けるメーカーだ。SUV全盛の今、日本では孤高の存在となっているのがステーションワゴンの「レヴォーグ」だ。
古くは「レガシィツーリングワゴン」としてワゴン界を席巻した偉大なモデルを伝承したレヴォーグの今の実力はいかに? 今回は長距離ドライブから見えてきたレヴォーグの「強み」と「弱み」を徹底検証してみる
文/井元康一郎、写真/ベストカー編集部、スバル
【画像ギャラリー】レガシィ(伝承)からレヴォーグ(伝承・変革+α)へスバルワゴンモデルの歴史(25枚)画像ギャラリー■実際にレヴォーグで1000km走行した結果から見えたもの
SUVがブームの陰で世界的に退潮が続いているステーションワゴンカテゴリー。日本市場ではミニバンなどトール型のクルマで代用できるためか、特にその傾向が顕著で、低車高型のステーションワゴンはもはや絶滅危惧種だ。
そのなかで踏ん張っているのはステーションワゴンでブランドイメージを築いてきた歴史を持つスバル。小メーカーながらグローバルCセグクラスのレヴォーグ、同ミッドサイズのクロスオーバーモデルであるレガシィアウトバックと、高価格帯にふたつのモデルを揃えている。
なかでもレヴォーグは路面から車体までの最小距離、いわゆるロードクリアランスが一般の乗用車並の140~145mmしかないオフロード要素ゼロ、生粋のステーションワゴンである。
そのレヴォーグを1000kmほどテストドライブし、クルマのパフォーマンスを確かめるとともにスバルのブランド作りの意図も探ってみた。
■試乗車は1.8Lターボエンジン搭載の上級グレード「STI EX」
では、まずインプレッションからお伝えしよう。ドライブを通じて最も印象的だったのは、居住空間のゆとりと広大な荷室を両立させた実用性の高さだった。
スバルのワゴンといえば、サスペンションチューニングのよさやAWD(4輪駆動)の制御が生む走行性能、水平対向ターボエンジンのパワーなどが思い浮かぶことだろう。
そういった特色は現行レヴォーグももちろん持ち合わせているが、それはあくまで長距離ドライブをよりよくこなすためのアシスト役だ。準天頂衛星を用いて高精度な誘導機能を提供する新技術「アイサイトX」もしかり。
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