日本のモータスポーツはどうなっている!?
【スーパーGT】 賞金額非公表
パドックの裏事情に詳しい人物によれば、スーパーGTでは1戦1戦の賞金がついていないそうで、GTAの会員(エントリーに約800万円かかる)になることで、ポイント(10位までに入賞、周回数、完走などによって加算)によってチームに分配金が支払われる、F1に近いシステムになっているということだ。
過去に参戦していたドライバーによると、GT500もGT300も優勝した場合、25万~30万円くらいの賞金をドライバーが得られるとのことだ(ただし、チームとの契約によって、ペイドライバーの場合は、賞金が出てももらえないということもある)。
【スーパーフォーミュラ】 1位400万円/2位200万円/3位100万円
国内では最高の賞金額だ。チームの契約によって、このうち何割貰えるかは違ってくるが、モチベーションのために、ドライバーに100%渡すというチームも存在するようだ。
【スーパー耐久】 1位15万円/2位10万円/3位5万円
各レースで副賞が付くので、総額は変動するが、基本はこの賞金額となるそうだ。シリーズランキングの上位に入れば、1位100万円、2位50万円、3位30万円という賞金も出る。
【全日本ラリー】 賞金なし
新井敏弘選手によると、各戦での優勝、年間王座獲得でも、賞金は出ないとのこと。過去に公道で行う競技には、賞金を出してはいけないという規定があったためだそうだ。
【F3】 賞金なし
日本フォーミュラ3協会によると各レースでの賞金は出しておらず、年間チャンピオンを獲得すれば50万円が授与されるとのこと。各チーム、スポンサーなどからの支援のみで1年を戦うことになる。
【インタープロト】 1位80万円/2位40万円/3位20万円/4〜12位5万円(各賞金はレース2の場合)
高額賞金が出されることで有名なインタープロト。ベストカーでお馴染みの黒澤琢弥氏のチームでは、モチベーションのために、賞金は100%ドライバーに渡しているそうだ。
【グローバルMX-5カップ】 1位50万円/2位25万円/3位10万円/4位7万円/5位5万円
さまざまなスカラシップに積極的なマツダらしく、賞金額はかなり高額。日本での年間チャンピオンを獲得すれば、アメリカでの世界戦への切符も手に入るという魅力もある。
今後の日本のレース賞金はどうあるべきか!?
モータースポーツの道具であるクルマは超高い。しかも、練習するために走らせるのにも一人ではできず、人件費もかかり、タイヤ代などの消耗品費もプラスされる。
これらの経費をすべてチームが用意するとなると、スポンサーが必要になり、賞金もチームにとって重要な収入源になる。
琢磨選手がインディ500で優勝し、2.7億円以上の賞金を獲得したことに驚いたようだが、すべて琢磨選手のモノになるわけではない。
あらかじめ、チームと取り分を決めているものなのだ。ただ、50%と仮定してもすごい金額であるのは確かだ。
では、日本はどうなのか? といえば、最高峰のスーパーGTで優勝したとしても300万円(チームに入る分)だ。
日本では高いほうだが、ドライバーの手にはこの50%も渡らない。これでは夢がない。若い人たちが、夢見てドライバーを目指すだろうか?
それと、放送体制を考え直すべき時代に来ているのではないだろうか? 民放1局が独占放送するから、他局などで報道されないのだ。
TV地上波などよりもCSやインターネット系での放映を強化して、チームやドライバーの露出を増やしてプレゼンスを上げる。このような活動によって、レースの面白さや歴史などを広め、スポンサーがチームや大会などにも多く集まる。
そうすれば、自然と日本での賞金も上がるのではないだろうか。日本のレースも、次世代ドライバーを生める仕組みと、将来性のある賞金体制にしてもらいたいと考えるのだ。
(TEXT:松田秀士)
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