フランスの高級車ブランド「DS」(プジョー、シトロエンの姉妹ブランド)は、2020年8月22日(土)~23日(日)の2日間、東京ミッドタウン日比谷アトリウムにて、DS初の量産型EV「DS 3 CROSSBACK E-TENSE(DS 3クロスバック イーテンス)」の展示イベントを開催している。
以下、このミドルSUVにしてフルEVであるDS3クロスバックE-TENSEを、ざっと紹介したい。
文、写真/大音安弘
■DS初の量産型EVを一般公開
今回の展示の主役である「DS 3 CROSSBACK E-TENSE」は、DSのコンパクトSUV「DS 3クロスバック」のBEV仕様。今回展示された会場内には、ガソリンエンジン仕様の「DS 3 CROSSBACK」や、DSのフラッグシップSUV「DS 7CROSSBACK 」も展示。さらにDS初のEVをいち早く試乗も行えるのもイベントの目玉であったが、こちらは事前のWEB受付のみであり、イベント開始時点ですべての枠が一杯だそう。世間のEVへの関心の高まりが伺える(会場である東京ミッドタウン日比谷へ行けば現車を見ることはできるし、展示車に乗り込むことも可能)。

■敢えてビジュアルの差は控えめ
DS 3クロスバックは、コンパクトな都市型のクロスオーバーSUVで、日本にも丁度良いサイズのものだけに、環境意識の高い人や先進的なクルマを好む人には、興味深い一台であるはず(価格帯も車格も、2021年に発売される予定の日産アリアと近い)。
まず基本となるガソリン車との違いを簡単に説明すると、意外にもビジュアル的な差別化は限定的となる。エクステリアでは、「E-TENSE」専用エンブレムや専用メッキの「サテンクローム仕上げ」、アルミホイールデザインなどと程度。その特徴を知らなければ、ガソリン車とEV「E-TENSE」どちらなのか見分けるが難しいほど。
この流れはインテリアも同様で、デジタルメーターパネルの表示以外は、ガソリン車と共有だ。これは使い勝手にもいえることで、室内空間やラゲッジスペースの容量は、ガソリン車とまったく同じだという。
つまり、デザインや基本的な機能は「あえて」同等にしているのだ。これも「DSの世界観」を、パワーソースに捕らわれることなく、自身のライフスタイルに選びとってほしいという配慮からだ。
最も特徴的なEV性能に言及すると、モーター性能は、最高出力100kW(136ps)、最大トルク260Nmを発揮。ガソリン車が搭載する1.2Lの3気筒DOHCターボエンジンの性能が、最高出力130ps、最大トルク230Nmよりも、ややスペックが上回る。ただモーターの特性上、発進時から最大トルクが得られるため、数字以上に力強い走りが提供されるはずだ。
EVで最重視される航続距離は、50kWhのリチウムイオン電池を搭載し、320km(WLTCモード)と実用的。充電も200Vの普通充電に加え、日本の充電インフラの要となるCHAdeMO規格の急速充電にも対応。50kW出力の急速充電器ならば、50分で80%まで回復可能。ただ普通充電でも、50km程度の走行距離分の電力ならば、2時間弱で済むので、自宅に充電環境を整えれば、日常的な足として活用しやすい仕様といえるだろう。
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