ホンダeはお買い得なの? リーフと比べてみた!
さて、ホンダeは、はたしてお買い得な電気自動車なのか。リーフと比べて考えたい。
リーフには、リチウムイオン電池の容量が40kWhの仕様と62kWhがある。ホンダeは35.5kWhだから、リーフで比較する対象は40kWhだ。
リチウムイオン電池が40kWhのリーフには、4種類のグレードが用意される。ホンダeの価格は451万円に達するため、リーフでは40kWhで最上級のGと比べる。価格は418万9900円だ。
●ホンダe標準仕様/451万円 CEV補助金/23万6000円、実質427万4000円
●ホンダeアドバンス/495万円 CEV補助金/16万8000円、実質478万2000円
●リーフS/332万6400円 CEV補助金/42万円、実質290万6400円
●リーフX/381万9200円 CEV補助金/42万円、実質339万9200円
●リーフX Vセレクション/405万6800円 CEV補助金/42万円、実質363万6800円
●リーフG/418万9900円 CEV補助金/42万円、実質376万9900円
●リーフe+X/441万1000円 CEV補助金/42万円、実質399万1000円
●リーフe+G/499万8400円 CEV補助金/42万円、実質457万8400円
※このほか環境性能割、エコカー減税、重量税、自動車税、自治体の補助金などが加算および減額されます
■1充電あたりの航続距離比較
●ホンダe標準仕様/WLTCモード:283km、JC08モード:308km
●ホンダeアドバンス/WLTCモード:259km、JC08モード:274km
●リーフ40kWh/WLTCモード:322km、JC08モード:400km
●リーフ62kWh/WLTCモード:458km、JC08モード:570km
リーフGの40kWhの場合、1回の充電で走行できる距離は、WLTCモードが322km、JC08モードは400kmになる。
リーフGはリチウムイオン電池容量が大きいこともあり、ホンダe標準仕様の283km・308kmに比べると、1回の充電で走れる距離も長い。
WLTCモードで39kmの差があり、比率に換算すればリーフGの走行可能な距離は約14%長い。
そのためにリーフGは補助金額も42万円で、ホンダe標準仕様の23万6000円を上まわる。車両の価格から補助金を差し引くと、リーフGは376万9900円だから、ホンダe標準仕様の427万4000円に比べて50万4100円安い。
出力はホンダe標準仕様では、最高出力が136ps、最大トルクは32.1kgmだ。リーフGの40kWh仕様は、150ps・32.6kgmになる。
最高出力はリーフGが14ps高いが、最大トルクは同等だ。そしてホンダeアドバンスは最高出力が154psだから、リーフGを少し上まわる。
ボディサイズは、ホンダeは全長3895×全幅1750×全高1510mm。リーフGは全長4480×全幅1790×全高1560mmだから、ホンダeに比べて585mm長い。
全幅も40mmワイドだが、ホンダeはサイドカメラミラーシステムを標準装着したから、ミラー部分まで含んだ車幅は5ナンバー車並みに抑えられる。つまりホンダeはリーフに比べてかなりコンパクトだ。
ホイールベースもホンダeは2530mmで、リーフGは2700mmだ。つまりホンダeは実質的にフィットよりも小さく、リーフGはミドルサイズのハッチバックになる。
最小回転半径も異なり、ホンダeは17インチタイヤを装着するアドバンスを含めて4.3mだ。
後部にモーターを搭載する後輪駆動だから、前輪の最大切れ角が大きく、軽自動車並みに小回りが利く。リーフGは5.4mだからホンダeに比べて取り回り性能は劣る。
ボディ形状も違う。ホンダeはサイドウインドウの下端を低めに抑え、水平基調に仕上げた。そのために前方に加えて、側方と斜め後方の視界も優れている。ボディの四隅の位置も把握しやすい。これらの相乗効果で、ホンダeは街中で運転しやすい。
リーフGも視界に配慮したが、サイドウインドウの下端を後ろに向けて持ち上げ、ボディ後端のピラー(柱)も太めだ。斜め後方の視界はホンダeに比べると悪い。
内装の質もホンダeが優れている。特に5つのモニター画面がズラリと並ぶインパネには、強いインパクトがある。
両端はサイドカメラミラーシステムの画面で、ステアリングホイールの奥側、インパネの中央、助手席の前側に3分割されたモニターが備わる。
インパネ全体は水平基調のデザインで、モニターの手前には木目パネルを配置した。
ホンダeの開発者は「日本と欧州で販売され、木目パネルについては、欧州のお客様にこだわりがある。その意見を積極的に取り入れた」という。そのために過度な光沢を抑えて自然な仕上がりとした。
ホンダeのシート生地は、少しザラザラしたメランジ調ファブリックだ。伸縮性もあって座り心地もが快適に感じる。リーフGの内装は、ホンダeに比べるとオーソドックスだが、視認性や操作性に不満はなく実用性は高い。
後席の居住性は、ホンダeのほうが狭い。身長170cmの大人4名が乗車した場合、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つぶんだ。
床下にリチウムイオン電池を搭載するため、後席は床と座面の間隔も不足して、膝が大きく持ち上がる。座面を柔軟に仕上げたこともあり、座り心地は悪くないが、着座姿勢は窮屈だ。
リーフGの後席は、膝先空間がホンダeと同じ測り方で握りコブシ2つぶんになる。ホンダeに比べると広く、4名乗車時でも窮屈に感じない。座面も柔軟に仕上げたが、腰の収まり方はいま一歩だ。もう少し着座姿勢を安定させたい。
ホンダeには、クラウドAI技術を使う通信機能のパーソナルアシスタントも備わる。「OK、Honda」と呼びかけると、モニター画面上で顔のイラストが動き、口頭で要件を依頼したり音声による返答を得られる。緊急サポートセンターへの接続も可能だ。
スマートフォンの使い勝手も優れている。スマートフォンをそのままクルマのキーとして使えるようになった。このほか充電中の走行開始前にエアコンを作動させ、走行中の電力消費量を抑えたり、充電状況を確認するといった操作もスマートフォンで行える。
リーフGもスマートフォンを使ったカーナビのルート設定、エアコンの操作などを行えるが、規格変更のタイミングによってエンジン始動には対応していない。
電気自動車は先進的なカテゴリーだから、スマートフォンを使ったサービスとも親和性が高い。そのために設計の新しい車種ほど内容が充実する。リーフも今後、マイナーチェンジなどで新しい機能を積極的に採用するだろう。
ホンダeアドバンスが装着するホンダパーキングパイロットは、駐車の支援機能だが、従来のタイプに比べて操作を簡単にした。
モニター画面で駐車したい場所を選択してスイッチを押すと、この後は車両がアクセル/ブレーキ/ステアリング/シフト切り替えの操作を代行する。大幅に省力化した。
同様の機能として、リーフGのプロパイロットパーキングも優れている。駐車スペースの手前でスイッチを押し、徐行すると、自動的に駐車スペースが検知されてマークで表示する。
その後にスイッチを押し続けると(緊急時には離すと停車する)、シフト切り替えも車両が行って車庫入れを完了する。リーフGはプロパイロットパーキングを標準装着した。
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