コストパフォーマンスはどちらに軍配が上がる?
次は価格の割安感を比べる。価格から補助金額を差し引くと、前述の通りリーフGは376万9900円、ホンダe標準仕様は427万4000円になる。
リーフGが50万4100円安い。しかもリチウムイオン電池容量が大きく、1回の充電で走れる距離もWLTCモードで39km長い。プロパイロットパーキングも標準装着した。
一方、ホンダeは装備を充実させ、スカイルーフ(サンシェード付きのガラスルーフ)、サイドカメラミラーシステムなどを備える。インパネのモニターを含めて、装備はホンダeが充実して先進的だが、50万円を超える実質価格差とリチウムイオン電池容量の違いを考えるとリーフが買い得だ。
エンジンを搭載したクルマの燃費に相当する交流電力量消費率は、WLTCモード走行で見ると、ホンダe標準仕様は1km当たり131Wh、リーフGは155Whだから、電力消費量はホンダeが若干少ない。
電気自動車は、走行段階で二酸化炭素や一酸化炭素、窒素酸化物などを排出しないこともあり、街中の移動に適したクルマとされる。
そこでホンダeは、1回の充電で走れる距離にはこだわらず、視界と小回り性能、コンパクトなサイズに重点を置いた。
最小回転半径を4.3mに抑えるため、前輪の切れ角を拡大できる後輪駆動を採用して、前後の重量配分も50:50だ。
リチウムイオン電池を床下に搭載して重心が低いため、走行安定性も向上できた。ホンダeは長い距離を走れるエンジンを搭載したクルマとは張り合わず、街中を中心に使われる電気自動車特有の価値を追求した。
対するリーフGは、実用性を高めるべく40kWhのリチウムイオン電池で走行可能な距離を伸ばし(62kWh仕様ならWLTCモードで458kmを走れる)、後席や荷室も相応に広く、価格は電気自動車では割安だ。従来のエンジンを積んだクルマと同じように使える電気自動車を目指した。
以上のようにホンダeとリーフでは、特徴が大きく異なる。初代リーフの発売から約10年を経過して、いよいよ電気自動車の選択肢が拡大を開始した。今後の展開が楽しみだ。
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