ホンダ渾身作CR-V PHEVの期待値 日本導入あるか!?

 ホンダが注目のプラグインハイブリッド車(PHEV)を世界初公開!

 9月26日、ホンダは中国で開催されている自動車見本市「北京モーターショー」で、CR-V PHEVを世界初公開。

 CR-Vは日本国内でも販売されているミドルSUV。さらにライバルのトヨタも今年RAV4 PHVを発売し、日産/三菱もエクストレイル/アウトランダーの次期モデルにPHEVをラインナップすることが濃厚なだけに、CR-V PHEVにも注目が集まる。

 果たして、日本導入はあるのか。そして、肝となるPHEVはどのようなシステムになるのか? 国沢光宏氏が解説する。

文:国沢光宏、写真:ホンダ、Honda Motor(China) Investment Co., Ltd.

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新型CR-V PHEVはクラリティPHEVのシステムを活用?

 本来なら4月に開催される北京モーターショーが、新型コロナのため延期。9月26日の開幕となった。ジュネーヴショーなどは中止。

 そんな状況のなか、延期こそしたものの止めないというあたり、中国政府が自動車産業を重要視しているということなんだと思う(広州ショーも開催決定)。とはいえ海外からの出展規模は”ほぼ”半分というイメージ。

2020年9月26日に開幕した北京モーターショーにて、世界初公開されたCR-V PHEV。同ショーで新型EVのコンセプトカーもお披露目された

 縮小気味の日本勢にあって電気自動車のコンセプトカーやCR-VのPHEVをワールドプレミアするなど存在感をアピールしていたのがホンダ。

 なかでも気になるのは、発表と同時にオーダーストップとなったRAV4 PHVの対抗馬であるCR-V PHEVです。果たしてどんなクルマなのか? 日本発売されるか? 取材してみたのでレポートしたい。

 興味深いことにホンダからのスペックを含めた詳細情報はないようだ。というのも渡航規制掛かっていて私を含め自動車メディアが取材に行けていない。

 現地駐在の大手メディアの記者さん達からすれば、概要だけで充分ということなんだと思う。走行用電池の搭載量や駆動方式を含め不明。下から覗き込めばFFか4WDかくらいは解るのに。

CR-V PHEVの走行用電池の搭載量、駆動方式についての発表はなかった。システムは、2モーター式ハイブリッドであることが明らかに

 限られたルートながら情報を探してみると、どうやらシステムは現在ホンダで主力となっている2モーター式ハイブリッド(※編注:新型フィットからアコードまで幅広く採用される。名称は「SPORTS HYBRID i-MMD」だったが、新しい車種から「e:HEV」に)だという。

 CR-Vハイブリッドに走行用電池を増加したタイプだとすれば簡単です。はたまた1500ccエンジン+17kWhの電池を積むクラリティPHVのシステムをそのまんま使えば良いということかもしれません。

1500ccエンジン+17kWhの電池を搭載しているクラリティPHEVのシステムを活用できるかもしれない

 1500ccなら今や新型フィットにも採用されているため大量生産中。大幅なコストダウンが可能になる。排気量が小さいためハイブリッド用としてCR-Vに使うのは難しいけれど、大容量電池を搭載するPHVなら全く問題なし。

 実際、1850kgもあるクラリティPHEVを余裕で走らせていましたから。CR-V PHEVは100kgくらい軽い?

鍵握るバッテリー次第でCR-V PHEVは安価に?

 何より中国でPHVを普及させようとしたら価格設定が大切になってくる。電気自動車より補助金は少ないため、高ければ売れない。

 フィットのエンジンとCR-Vハイブリッドに使われている184馬力のモーターを組み合わせれば、けっこう安価なベースができるんじゃなかろうか。もちろん中国で使うならFFでも問題ない。

ホンダeに搭載されているバッテリーはパナソニック製のリチウム電池を使用している。トヨタなども同じものを使用しており、供給量に問題を抱えている

 価格に決定的な影響を与えるのが走行用電池のコストだ。ホンダeはトヨタなどと同じパナソニックのリチウム電池を使っているけれど、コスト的に高いだけじゃなく供給量の問題も抱えている。

 RAV4 PHVの受注停止もパナソニックが必要な量の電池を作れないからに他ならない。同じ轍を踏むようなことはしないだろう。

 そんなことから中国のCATL(寧徳時代新能源科技。今や世界最大のリチウムイオン電池メーカーとして知られている)製を使う可能性が大きい。

CATL:寧徳時代新能源科技(Contemporary Amperex Technology) 2011年設立・本社福建省

2020年7月10日にCALと新エネルギー専用バッテリーに関する包括的戦略アライアンス契約を締結している。共同研究を行い、バッテリー安定供給を実現し、2022年目途に中国生産モデルへの供給開始を予定

 ホンダはすでにCATLに対し資本を入れており、技術交流も行っている。信頼性さえ確認できたならパナソニックより圧倒的に安いコストで電池を供給してもらえることだろう。

 CATL製の電池を搭載したクルマをアメリカや日本、ヨーロッパで販売するのは安全性や規制など若干の課題があるけれど、中国内で売るならハードル低い。

 ホンダの基準で安全の確認さえ済ませられたなら、日欧米のライバルを出し抜く価格で販売可能になる。繰り返すが車体側もフィットのエンジンを使うことで大幅にコストダウンします。

日本導入なら価格次第でRAV4を出し抜く可能性も

 となると気になるのは日本発売の有無。もちろん現在のように「日本で生産しているCR-Vをアメリカより100万円高い値付けにしてる」状況だといかんともしがたい。

 ただ、ホンダさえその気になれば、CATL製の電池を使うことで思い切った価格戦略に出てこられる。RAV4 PHVを出し抜くことすら難しくないかもしれません。

 いずれにしろホンダは、日本において軽自動車とコンパクトカーを除く市場を失いつつある。先代アコードのPHVなどトータル238台しか売れなかったほど。現行モデルも目を覆いたくなるほど厳しい台数。

 このあたりで起死回生の販売戦略を取らないと、本当に小さいクルマしか売れないメーカーになってしまうだろう。

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