Gazoo Racingはトヨタのモータースポーツ活動を担っているだけでなく、新車の開発にも積極的にかかわっている。
Gazoo Racingが手掛けたモデルは略してGRという名称が与えられ、ノーマルモデルに比べてスポーティに仕立てられている。
そのGRモデルにはヒエラルキーが存在する。
その頂点に君臨するのがGRMN(MN=マイスター・オブ・ニュルブルクリンク)、エンジンなどにも手を入れて本格的なチューニングが施されたGR、ベーシックなスポーツモデルのGRスポーツの3タイプが用意され、車種によって選別されている。
GRモデルの設定に積極的なトヨタのGR戦略について考察していく。
文:遠藤徹/写真:TOYOTA、ベストカー編集部
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GRはGazoo Racingが独自に開発
トヨタは車種整理を進めるいっぽうで、既存モデルへのスポーツモデルのGRの設定を積極的に展開していく方針を出している。
トヨタは製品を軸としたカンパニー制をとっていて、Gazoo Racingもトヨタの1セクションではなく新カンパニーという位置づけで、トヨタの新車戦略とはリンクしているが車両の開発は独自に進めている。ただし、市販車のデビュー時期とGRモデルの発売順番はリンクしていない。
東京オートサロン2020では4WDターボのGRヤリスを公開したのを皮切りに、2020年もGRモデルが投入されるが、個別に見ていきたい。
プリウスGRスポーツ
プリウスPHVにはGRスポーツが設定されているが、本家プリウスにはいまだにGRスポーツは設定されていない。その理由はデビュー時のエクステリアデザインが不評だったためとも言われていた。
そのプリウスは2018年12月に大掛かりなデザイン変更を行ったことでGRスポーツの設定の準備は整い、後はいつ発売するだけの状態にあるようだ。
マイチェンジの情報では、ビッグマイチェンの1年後に追加予定となっていたが、2020年1月の段階でまだ登場していない。
その後4月デビューが有力視されていたものの、2020年1月中旬時点で販社には情報が入っていないため、発売時期は遅れているようだ。
カローラスポーツGRスポーツ
カローラスポーツは欧州ではカローラハッチバックという車名で販売されていて、2020年1月から待望のGRスポーツを追加し、販売を開始している。
エンジンには手を入れず、ボディ補強、足回りの強化というGRスポーツの流儀に沿ったチューニングが施されている。
エクステリアではダーククロムのフロントロアグリル、専用デザインの5本ダブルスポークアルミホイールを採用してノーマルモデルと差別化している。
カローラスポーツは日本独自のサイズとしたカローラセダン&ツーリングと違いグローバルで共通のため、日本仕様に変更するだけとなる。
日本導入時期についてはマーケティングが絡んでくるため、カローラスポーツがデビューして丸2年となる2020年6月が有力だと思われる。
そのいっぽうでカローラスポーツはカローラセダン&ツーリングの登場に合わせて改良されたため、それから1年後となる2020年9月より前に出ることはないだろう、という販売会社もある。
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