新型コロナ禍で免許・車検・自動車税など「知っておくべき」特別措置

 都市部での新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年4月7日(火)に政府からゴールデンウイーク明けの5月6日(水)までの東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の一都六県での緊急事態宣言が発令された。

 これにより不要不急の外出自粛や学校の休校、イベント開催の制限、店舗によっては休業など、社会生活への影響が顕著になり始めている。

 新型コロナウイルスの感染拡大による影響は新年度ということで手続きなどが多い自動車関係もそうで、当記事では「今知っておきたい緊急事態宣言発令によるクルマ絡みの暫定的な変更点」を紹介する。

文/永田恵一
写真/Adobe Stock

※車検の項目で、有効期限に関する記述について一部追記しました。ご参照ください(2020.4.15 23:30)

【画像ギャラリー】新型コロナ禍で特別措置が取られている自動車関係の手続きを一気におさらいする!


■運転免許証関係

【注】東京都に関しては、2020年4月15日より都内全免許センターおよび警察署での運転免許の更新手続きを休止する、と発表がありました。2020年7月31日までに有効期限が切れる場合は必ず「延長手続き」をとってください。詳しくは以下の記事をご参照ください。
【速報】警視庁が明日(4/15)から運転免許更新手続きの休止を発表

●更新
 運転免許証のカラーや年齢によって異なるが、運転免許証は3年、4年、5年で更新の時期が訪れる。更新は、警察署や運転免許センターで人混みのなかで行われるため、新型コロナウイルスのような伝染病の感染拡大の原因になりやすいシーンである。

※東京都品川区の鮫洲運転免許センターでは新型コロナウイルス感染者が出たため、2020年4月1日から閉鎖された。このため東京の運転免許センターは3カ所から2カ所となっている。

という事情もあり、運転免許の更新に関しては早い時期から混雑緩和のため、

「更新の期限が令和2(2020)年3月13日(金)から4月30日(木)までの場合は、警察署や運転免許センターでの申請を行うことにより更新期限の3ヶ月延長」

「この時期に更新ができず運転免許を失効した場合には、学科と技能の試験を受けることなく運転免許を取得できる(失効期間の運転はできない)」

という救済処置が発表されている。

 さらに更新期限の延長は前述の申請により、「更新期限が7月31日までの場合、更新期限+3ヶ月」に拡大された。また東京都、千葉県、大阪府などでは更新期限の3カ月延長の申請は郵送でも可能になっている。

●自動車教習所
 免許取得者が多い12月から3月は特に混雑する自動車教習所も伝染病の感染拡大の原因になりやすい場所である。

 自動車教習所は卒業までの期限が9カ月ということもあり、自動車教習も休業の対象になると慌てる人も出てくるだろう。

 現在、自動車教習所は休業の対象にはなっていないが、人が多いところだけに休業の可能性は考えられる。その場合、教習所によっては「卒業までの期限が近い人のみ対応して、それ以外の人の教習は自粛をお願いする」といった救済処置を検討しているところもあるようだ。

不特定多数の人が通い、教習中は密室となる自動車。運転席と助手席の距離も2m離すことは難しい。

※編集部注:緊急事態宣言発令後、臨時休業の判断をした教習所もある。判断は教習所ごとに異なるようだ。東京都では4月10日に小池百合子都知事が会見を行い、4月11日(金)から自動車教習所にも休業要請を出している(神奈川県も都の基準に合わせることを発表)。

■車検

 こちらも陸運事務所の混雑緩和のため早い時期に軽自動車、登録車ともに

「車検の有効期限が3月31日(火)までの車両は、自賠責保険も含め4月30日(木)まで申請の必要なく延長」

と発表されていた。

 さらに、緊急事態宣言発令直後の4月8日(水)には、緊急事態宣言の対象となる一都六県で登録された車両を対象に

「車検の有効期限が2020年4月8日(水)から5月31日(日)までの車両も同様に、6月1日(月)まで延長。自賠責も車検の更新時まで猶予される」

という発表があった。

 このため車検に関してはとりあえず慌てる必要はないが、任意保険については「契約が本来の車検時期と同時」ということもあり、ウッカリ無保険になっていたということも考えられるため、不安な人は自分の保険会社に確認して欲しい。

3~4月は新生活のためにクルマを購入する人が多く、ディーラーに依頼するものだけでなく、ユーザー車検も増える。混雑すれば、そのぶん新型コロナウィルスを拡大させることになるため、期間を延長することで分散させる狙いもある

■自動車税

●支払いの分割、猶予
 毎年ゴールデンウイーク明けに送付され、5月中が支払期限になる自動車税は平時でも重い出費である。

 さらに2020年は新型コロナウイルスにより収入減などの影響を受けている人だと、本当に重い出費となることもあるだろう。

 自動車税の支払い期限の猶予、分割について東京都自動車税コールセンターに問い合わせてみたところ

「自動車税の分割払いは現状でも事情によっては認められることがあります。また支払期限の猶予に関しても現在発表はありませんが、国で検討中のようなのでその可能性は考えられます」

という回答だった。

■本来なら3月中に行いたい登録抹消

 自動車税税は、2020年4月1日現在の所有者のところに支払い通知が郵送され支払いとなるため、「乗らないけど保管しておくクルマがある、クルマを解体する」といった場合には3月31日までに一時抹消などの手続きが必要だ。

 そこに3月は車検も多いため陸運事務所は毎年大混雑となるのだが、2020年は新型コロナウイルス騒動である。

 そのため、この手続きは4月15日(水)まで猶予されることになっている。

 なお、個人売買などによる車検と登録が残ったままの名義変更に関しては、今までと変わらず4月1日現在の所有者のところに自動車税の通知が郵送されるので、この点は注意して欲しい。

■自動車ディーラー

 筆者は4月8日(水)に所用があったため、都内自動車ディーラーに出向いたのだが、自動車ディーラーは販売、整備ともに平常営業だった。

 ただ新型コロナウイルスの影響によりすでに生産が停止している工場があり、新型車の登場時期も予定どおりとならない、整備に関してもパーツ供給が滞る可能性というのも十分考えられる。そのため、全体的に納期の遅れの可能性をユーザーに強調しているとのことで、ユーザー側も「平時のように予定通りには動かない」という気持ちでいたほうがいいだろう。

 中古車に関しては、現車があるだけに納期に関しては有利だが、新車同様に整備や前述した陸運事務所への往来などにより、こちらも納期の遅れは想定しておいたほうが無難だ。

(編集部注:4月10日(金)時点で各社に取材したところ、各メーカーとしては「原則として各販売会社の判断に任せる」としつつ、(緊急事態宣言が出ている)首都圏を中心とした大手ディーラーは、「時短営業」にて対応中。

 つまり定休日以外は営業する。詳細は各社の公式サイトを参照してほしいが、(自粛要請職種ではないこともあり)自動車整備や点検、各種手続きは重要なライフラインのひとつであるという判断であろう。ぜひとも頑張って、この難局をユーザーとともに乗り切ってほしい)

国産自動車メーカーでは、4月~5月初旬にかけて数日間、生産調整のため国内主要工場の生産を停止する。決算期で多くのバックオーダーを抱えているため、部品供給などが滞れば、さらなる納期延長につながることになる

 新型コロナウイルスの影響に対する自動車関係の手続きの対応は、行政のWebから公式な情報を得ようとする際になかなかたどり着けないのは難点だが、全体的に早期かつ的確に行われ、温情もあるものとなっている。

 そのため、自動車関係の手続きに関しては一度自分に関係するものがないかを落ち着いて確認し、「不安を感じた、わからない」といった場合には、それこそ窓口の混雑を防ぐため担当部署に電話で問い合わせてほしい。

 いずれにしても一人一人が正しい行動を行い、早期に新型コロナウイルスが収束するよう願いたい。

【画像ギャラリー】新型コロナ禍で特別措置が取られている自動車関係の手続きを一気におさらいする!