フィットとヤリス「どっち派」か決めよ! 辛口5人に無理を承知で依頼!!

フィットとヤリス「どっち派」か決めよ! 辛口5人に無理を承知で依頼!!

 あなたはヤリス派? フィット派? それともどっちでもない系?

 …そう聞くと「そもそもクルマとしての方向性が違うんだから比べようがないんじゃない?」と言われそうだが、よりファミリー向きのクルマを求めていてもヤリスを選ぶ人はいるだろうし、走りを重視していてもフィットを選ぶという人もいるだろう。

 今回は5人の辛口自動車評論家にホンダとトヨタのフラッグシップカーを比較、無理を承知ながら敢えて「どっち派」まで踏み込んでもらった!

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※本稿は2020年4月のものです
文:鈴木直也、国沢光宏、小沢コージ、渡辺陽一郎、清水草一/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年5月10日号


■フィットってこんなクルマ

ホンダ フィット

 ハイブリッドは「e:HEV」と呼ばれるシリーズ式を採用。基本はエンジンで発電してモーターで走るのだが、高速域ではエンジン動力がクラッチで接続されるというシステム。

 ガソリンエンジン車は1.3Lエンジンを採用する。「クロスター」は最低地上高も高められたモデルだ。

フィット 主要諸元
フィット 主要諸元

■ヤリスってこんなクルマ

 新開発された1.5Lエンジンはハイブリッド用もガソリンエンジン車も基本的には同じで3気筒。1Lエンジンも3気筒なので、ヤリスに搭載されるエンジンはすべて3気筒ということになる。

 フィットと比べてボディサイズは割り切って小型化したこともあり、後席はちょっと狭めだ。

■自動車評論家 鈴木直也はフィット派? ヤリス派?

 フィットとヤリスは、どちらも日本のクルマ作りの底力を実感する傑作。これは間違いない。

 しかも、面白いのはこの両車キャラクターがほとんどカブッていないことだ。

 フィットは「心地よさ」というキーワードに代表されるエモーショナルな価値観を大事にしているのに対し、ヤリスはハイブリッドの圧倒的な燃費性能や新プラットフォームによる走行性能の向上など、あくまで機能性にこだわったクルマ作り。両車とも、その目標を極めて高いレベルで実現している。

 だから、客観的な評価を問われたら「どちらも傑作。好きなほうを選べばOK」というのがぼくの答えだ。

 ただ、個人的な好みを聞かれたら、ぼくはヤリスに一票を投じる。

 自動車にかぎらず、ぼくの信条は「技術の進歩が人々を幸せにする」という素朴な技術進歩主義。そんなぼくにとって、ヤリスHVの達成した約36km/Lという燃費性能は大きな衝撃で「コイツには世の中を変えるインパクトがある!」と強く感銘を受けたからだ。

 前号のベストカーでも書いたとおり、EVでも発電所から出るぶんをカウントすると走行1kmあたり50gほどのCO2を排出する。

 今のルールではEVはゼロエミッションということになっているが、実はEVとヤリスHVのCO2排出量は大差ないというのが現実。しかも、ヤリスHVは200万円チョイで買えて充電も必要ない。

 今回のコロナ騒動で自動車業界も大きな影響を受けているが、ポストコロナ時代に最も適応したクルマがヤリスだと思うなぁ。

結論としてはヤリスを推した鈴木直也氏

●結論…“ヤリス派”

 ヤリスハイブリッドの燃費はすごい!技術の進化を大いに評価したい。フィットも悪くないんだけどね

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