2020年9月4日にGRヤリスが発売され、この際に明らかになったのが1.6Lターボ+4WDの競技ベースグレードで330万円となるRCの詳細である。
RCの価格は一般仕様のRZ系が標準のRZで396万円、上級の456万円というのは考えれば「内容次第ではお買い得?」とも考えられるが、その割りにRCをシッカリ紹介している記事というのはあまりない。
というわけで当記事では期間限定車のRZハイパフォーマンスファーストエディションが納車間近となっている筆者が、RCを紹介していく。
文:永田恵一/写真:TOYOTA、NISSAN、MITSUBISHI、DAIHATSU、SUZUKI
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GRヤリスRCの仕様
【GRヤリス価格】
■RZハイパフォーマンス:456万円
■RZ:396万円
■RC:330万円
■RS:265万円(FF・CVT)
GRヤリスRCは競技ベースということで、装備などが省略されて簡素な仕様になるのは明らかだった。
また簡素な中にも程度があり、後述するトヨタ86の初期モデルにあったRCのように「前後バンパーが塗装されていないかもしれない」、「アルミホイールではなくスチールホイールかもしれない」といった憶測もあった。
ではまず、市販されたGRヤリスRCの仕様をRZから省かれる、変更されるものを挙げていくと以下のよう多岐にわたる。
■走りの機能面
●省かれるもの
特になし。
●変更されるもの
こちらは細部にわたるため、個別に紹介していく。
・ホイール&タイヤ
黒いエンケイ製ホイール+18インチのダンロップ→シルバーのエンケイ製17インチ+エコタイヤ
・フロントブレーキローター
18インチ径→15インチとなるグラベル用タイヤの装着を想定し、小径化した16インチ径(妙な表現だが)。これによりホイールを選ぶ必要はあるにせよ、グラベル用タイヤがブレーキに干渉せず、装着できるだろう。
・フロントサスペンション
RZはRZ用→ラリー、ダートに対応したステアリングナックルを採用(強度が強いということだろうか)。これは後述するが、RCを選ぶ際の大きな分かれ道となる要素だ。
■快適装備など
●省かれるもの
・エアコン
・ディスプレイオーディオ(モニター)
※ただ、これも微妙な要素として2スピーカーは装備される。
・USBポート
・プッシュポタンスタート&スマートエントリー→キーでエンジンを掛けるキーレスエントリー(イモビライザー付き)
●変更されるもの
シフトノブ、パーキングブレーキのレバー、車内側のドアハンドルといった細かいパーツが安手のものになる。
さらにメーカーオプションで設定されるものは以下のようになっている。
・寒冷地仕様/1万7600円
・エアコン/13万2000円
・トランスファー/5万5000円
これは駆動力配分をフロント寄りとし、よりタイム重視になるものと思われる。
・インタークーラーの冷却スプレー/1万1000円
これはRZハイパフォーマンスに標準だが、RZには付けられない。
・18インチパッケージ/4万6200円
これを付けると18インチホイールを含めたサスペンション、ブレーキローターがRZと同じものになる。
これがGRヤリスRCを選ぶ際の大きな分かれ道なのだが、素の状態のRCはラリー、ダートに対応したステアリングナックルのためタイヤの切れ角が小さいようで、最小回転半径が6.0mと、ランサーエボリューションや現行のシビックタイプRのように非常に大きく、要するに小回りが利かない。
それに対し18インチパッケージを装着すれば、RZと同じ「頑張ってもらい、ありがとうございました」と感じる5.3mとなる。
そのためグラベルのラリーやダートラといったグラベル用タイヤを履く使い方なら素の状態にするべきだろうが、ジムカーナなどの競技を含めそれ以外の使い方をする人は18インチパッケージを選んだほうが無難だ。
さらにカタログには素の状態のRCには、RZの18インチホイールは後付けでも装着できないと記載されている。
またカタログといえば、GRヤリスのカタログにRCのことは掲載されておらず別のカタログになり、こちらは筆者もディーラーで聞いたが、紙のカタログはないという。
そのためRCのカタログはトヨタのGRヤリスのサイト(Gazoo Racingとは別だ)のWEBカタログのところにあるPDFデータしかない。
RCのカタログのPDFデータは見たら、とりあえずパソコンなどに控えておいたほうがいいかもしれない。
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