2015年10月に発表・発売された4代目エスクード。2021年9月30日にはスズキの公式サイトから消え、ひっそりと販売終了となっていたが、2022年4月21日、1.5リッターのストロングハイブリッドを新たに搭載し、再登場した。
ストロングハイブリッドを搭載した、エスクードはどんな中身なのか、解説していこう。
文/遠藤徹
写真/スズキ、ベストカーweb編集部
■1.4リッターガソリンターボに替えて1.5リッターストロングHVを搭載
2021年9月30日に販売終了となったスズキのコンパクトクロスオーバーSUV「エスクード」にストロングハイブリッドが搭載され、4月21日に発表・発売となった。
4代目エスクードは2013年10月に発売され、ハンガリーのマジャールスズキの「ビターラ」を輸入車として販売する形態となっている。
発売当初は1.6リッターガソリン(117ps/15.4kgm)をラインナップしていたが、2017年7月に1.4リッターターボ(136ps/21.4kgm)を追加、2018年10月には1.6リッターガソリン車が廃止となり、1.4リッターガソリンターボに1本化。
今回、この1.4リッターガソリンターボに代わり、1.5リッターのストロングハイブリッドが搭載されることになった。ちなみに欧州仕様のビターラには48Vのマイルドハイブリッド仕様に加えて、2022年春からストロングハイブリッドも販売されている。
新たに搭載された1.5リッターストロングハイブリッドは、1.5Lデュアルジェットエンジン(101ps/13.5kgm)に、駆動用の1モーター(33.4ps/6.1kgm)、MTベースのセミATとなる6速AGS(オートギアシフト)を組み合わせている。
走行モードは、EV走行の頻度を高めたエコモードと、力強くキビキビした走りの標準モードの2つを走行状況によって切り替えることができる。
また、走行中、アクセルペダルを戻した時に動いている車輪の力でモーターを回転させ、発電する回生ブレーキに加え。ブレーキペダルの踏み込みに応じて発電量を増やす回生協調ブレーキを搭載。この回生協調ブレーキ、後退時のEV走行はスズキで初採用した。
ハイブリッドシステムは、電子制御4WDシステム、「ALL GRIP」と連携。ドライビングモードは4つあり、「AUTO」モードはアクセルの踏み込みに応じてEV走行やモーターアシストを行う。
「SPORT」モードは積極的なモーターアシストで、エンジン回転数を高めにキープし、俊敏な走りを演出。「SNOW/LOCK」モードはAUTOと同様のモーターアシストを行う。
「SNOW」モードは雪道に適したグリップ力重視のモードでトラクションコントロールによってタイヤの空転を抑え、走行状況に応じて後輪へのトルク配分を変化させ、走行安定性を向上させる。
「LOCK」モードはぬかるみや雪道でスタックした時の緊急脱出をサポートするモード。空転している車輪にブレーキをかけ、空転していないタイヤに最大限もトルクを配分、駆動輪を直結に近い状態で固定し、前後輪へ最大限の駆動力を伝え、脱出をサポートする。
WLTCモード燃費は19.6km/L。市街地モードは17.4km/L、郊外モードは20.3km/L、高速道路モードは20.3km/L。1.4リッターガソリン車と同様、レギュラーガソリン仕様というのも嬉しい。
エクステリアでは見た目はほぼ変わっていないように見えるが、ヘッドランプやアルミホイールのデザインを変更。
インテリアに関しても、マルチインフォメーションディスプレイにハイブリッド関連の表示を追加したほか、シフトノブの加飾をサテンメッキオーナメントに変更している程度。
ラインナップは従来モデル同様に4WD車の1タイプのみで車両本体価格は297万円と1.4リッターターボの270万8200円よりも26万1800円高となっている。
販売店では正規店を中心に営業マン用のカタログを作成し、既納ユーザーに代替えを呼び掛けている。
これまでエスクードは月販200台弱と少ない販売実績にとどまっていたので、今回もデリバリーする台数もあまり多くを計画していない。スズキ発表による販売計画は年間1200台、月間100台となっている。
ただマーケットニーズの高いストロングハイブリッドのため、従来よりもかなり大幅な販売増が見込める可能性もあり、今後の動向次第では増販攻勢にかなり力を入れるスタンスも伺える。
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