【EJ20、SKYACTIV-X…】世界に誇れる!!! 日本車の凄いエンジン7選

■日産/インフィニティQX50  2L、直4ターボ、可変圧縮比エンジン、KR20DDET型

かつて日本でも販売されていたスカイラインクロスオーバーの後継車にあたるインフィニティQX50の最新モデル。ボディサイズは全長4700×全幅1900×全高1676mm。いまのところ、日本導入の予定はない

北米市場で販売されているインフィニティQX50と日産アルティマに採用された2L直4ガソリン直噴ターボ「可変圧縮比」エンジンは、日本市場には未導入ながら、世界初の量産エンジン用技術として、これまで日産のエンジニアが永年研究開発を進めてきた夢のエンジンといえる。

VCターボと呼ばれるオールアルミ製KR20DDET型直4エンジンのボア・ストロークは84×88.9~90.1mm。可変機構による圧縮比の変化は、低圧縮比で8:1(排気量:1997cc)、高圧縮比では14:1(同1970cc)となる。

最高出力と最大トルクはそれぞれ248ps/39.8kgm(米国仕様、プレミアムガソリン仕様)。トランスミッションはCVTが組み合わされ、FFのみの設定となる。

従来エンジンの機械要素で構成できているのがVCターボの凄いところ。コストアップの要因が少ない

肝心の可変圧縮比を実現するマルチリンクの構造を説明すると、従来のピストンを支えるコネクティングロッドは「アッパーリンク」とされ、クランクシャフトと結合した独特の形状をもつ「ロワーリンク」(マルチリンク)、 これに全体の制御を司る「コントロールシャフト」と最下部にはコントロールシャフトに結合する「アクチュエーターシャフト」と電動機構「VCRアクチュエーター」が備わる。

これらのリンクの位置関係が微妙かつ複雑に変化して可変圧縮比機能を実現する。この可変圧縮機構の特徴は「アッパーリンク」が上下方向に直線的を動くので、ピストンの上下動から生まれる二次振動がわずかなため、バランスシャフトを必要としないことだ。

ピストンの横方向の荷重が少なく、フリクションの影響が少ないため(摺動抵抗は従来型から44%減少)、効率向上にも寄与している。

右側がVCターボの仕組み。コンロッドがなくピストンとクランクシャフトはU-リンクとL-リンクのふたつでつながれる(L-リンクはクランクシャフトと一体化している)。またクランクシャフトの下にもコントロールシャフトを挟んでC-リンクとアクチュエーターモーターにつながるA-リンクが存在する。 VCターボはピストンの上下死点の高さを変えることで圧縮比を変化させるがその起点となるのがモーターだ。モーターが時計回り、もしくは反時計回りに回転することでA-リンク→コントロールシャフト→C-リンク→L-リンク(クランクシャフト)→U-リンク→ピストンと力が伝わり、ピストンの上下死点が変化する。そして高くなれば燃費重視の高圧縮比となり、低くなればパワーを出したい時のための低圧縮比となる

日本の日産横浜工場で生産されるKR20DDET型直4ターボは、従来のMR20DD型2Lガソリン直噴直4エンジンとボアピッチとともに共通とすることで、ヘッドまわりで共通部品が多く使えることになり、コスト抑制が図られた。

ちなみに、北米仕様の都市高速道複合の燃費は29mpg(24km/L)。置き換えの対象となる3.5L、V6エンジンから約15%の燃費を向上させたとしている。

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