【自動車税を滞納したら?】待ち受ける「差し押さえ」運行ロック装置と羞恥心!!!

 5月のゴールデンウィークが終わると、自動車税の季節がやってくる。お国の定める決まり事(国民の義務)といえ、ゴールデンウィークの出費がかさんだ後で、多くの人の懐具合は初夏の陽気ほど、さわやかというわけではないはず。

 東京都では連休明けの5月7日から納税通知書が発送されている。納付期限は全国共通の5月31日だから、あと2週間あまりしかない。

 もし、期限までに自動車税を支払わないとどうなるのか? モータージャーナリストの岩尾信哉氏が解説する。

文/岩尾信哉
写真/ベストカーWEB編集部 東京都主税局


■5月31日までに支払わなかったら……

東京都主税局の自動車税納付書見本。自動車税納付書は5月7日から送付しているが、5月1日から始まった新元号、令和の切り替えは間に合わなかった

 まずは、自動車税はいつまでに支払うのかをおさらいしておこう。そもそも課税対象となるのが「4月1日の時点で所有しているクルマ」。3月31日までに売却や登録抹消をしていなければ自動的に自動車税も課税される。

 2019年は大型連休の関係もあり、5月7日から自動車税の納税通知を発送され、例年より少し遅めの5月10日頃には手元に振込用紙と一緒に届いているはずだ。納付締切りは例年と同じ5月31日。

 続いて自動車税を滞納した場合に起きる事例の基本的な部分をおさえていこう。

 年度始まりの4月1日に所有している車両に関して、納付期限として定められている5月31日から2ヵ月後の7月末日までは、ゆうちょ銀行を除く金融機関やコンビニエンスストア、インターネットの利用などで納付ができる。

 これを頭に置いておいて、滞納してしまった場合にどうなるか、時期を追いつつ簡単にまとめると以下のようになる。

【督促状が送付されるまでの手順】
1:納付期限の5月31日から20日経つと、1回目の督促状が届く
2:延滞金は納付期限後の6月1日から発生して、納税額に加算される
3:支払いが滞ると、2回目の督促状が届く

■納付期限が過ぎれば、即延滞金が発生!

 自動車税の納付が遅れた場合、納付金額に直接影響するのが延滞金の発生だ。前述のように、納付時期は5月31まで、滞納した場合は翌6月から延滞金が発生する。

 納付期限から1ヵ月以内までは年2.6%、1ヵ月を超えると8.2%で日割り計算され(1000円以下は切り捨て)、延滞金が1000円を超えると100円単位の計算で割り出される。

 納付期限から20日を過ぎると自動車税の「督促状」が届く。通知内容としては銀行口座などの差し押さえるという説明が出てくる。ここからの手順をまとめると以下のようになる。

【差し押さえになるまでの手順】
1:自動車税の督促状が届く
2:税務局に連絡をせず、支払わなければ、給与や財産の差し押さえ通知書が送付される(9月頃)
3:さらに支払いが滞ると、財産を差し押さえる内容を通達する、差し押さえの最終通告書である「催告書」が送付される(10月頃)

4:所有者の給与または口座から滞納金が差し押さえられる
5:給与または口座から差し押さえができなかった場合、タイヤロック装置やミラーズロックをクルマに装着し、支払うように促す

 1回目の督促状を無視すると、およそ9月中旬頃に2回目の督促状が届く。次の段階で「催告書」が送られてくる。これも無視すると、差し押さえ通告書が送られてくる。

 通知された期限までに納付がなければ、税務局による財産の差し押さえとして、預貯金口座などから、自動車税が延滞金を含めて徴収される。口座残高が不足していれば給与の最大1/4以内の金額を差し押さえることになる。

■差し押さえ方法は大きく2通り

東京都主税局による差し押さえ最終通告書
写真1/タイヤロックを用いた差し押さえ方法。実際にはまず話し合いを行うケースが多いというが、悪質な場合にはこのようにして愛車が差し押さえられてしまう 
写真2/ ミラーズロックは、ビニールテープを使用して、「運行を禁ずる旨」を示したマグネットを自動車の運転席側のドアに張り付けて掲示する。タイヤロックよりも軽量かつ装着が簡単であるため、タイヤロックの装着が物理的に困難である車体や立体駐車場での装着が可能となった

 では、実際にどのように自動車税(+延滞金)が差し押さえられるのか。自動車税は地方税なので、各都道府県の自治体によって差し押さえの連絡方法や手段は変わってくるが、所有者の口座からの滞納金の徴収ができない場合の差し押さえの具体的な方法は、「タイヤロック」と「ミラーズロック」が装着されるケースだ。

【タイヤロックとミラーズロック】
1:車輪を専用器具で固定して、強制的に車両を動けなくする「タイヤロック」(写真1) 
2:運転席側のドア周辺に保管命令の掲示書類を装着する「ミラーズロック」(写真2)

 それでも支払いの意志がない場合、「財産状況を考慮し、当該車両を公売する」といった場合もあるという。

 「ミラーズロック」は東京都主税局が開発して、2011年(平成23年度)から、差し押さえの執行に使われている。

 この装置はビニールテープやマグネットを使って、運転席側のドア周辺に「運行を禁ずる」と掲示する。

 タイヤロックの装着が物理的に困難である車体や立体駐車場でも装着できるので、装着する“スペース”に悩まされることがなく、軽量かつ持ち運びもしやすいという利点があり、作業時間も5分の1程度に減ったという。

 価格は8000円程度でタイヤをロックする装置の半分以下とされ、これらの利点が評価され、関東周辺では千葉県や埼玉県、他にも宮城県、静岡県、山梨県、島根県など、全国各地の自治体で広く採用が進んでいるという。

 もし、駐車場に停めている自分もクルマに、もしこのようなものが付いていたら、恥ずかしくてたまらないだろう。

 ちなみにこれらを剥がすと、「封印等破棄罪」に問われるので要注意。ミラーズロックの導入効果については「効果は上がっています。恥ずかしいので早く取ってくれという反応が多いですね。1週間以内に支払う約束をしていただいたら外しています」(東京都主税局)とのこと。

■滞納件数、差し押え件数は割合としては少ないが……

 滞納件数や差し押え件数についても東京主税局と大阪府税務局に聞いてみた。平成29年度の滞納件数は東京都が12万2063件、大阪府が1万2721件。

 差し押え件数については、自動車税単独では把握しておらず、全体としては東京都では6万4354件、大阪府では3686件となっているが、人口は東京都の約1372万4000人に対して大阪府が約882万3000人だから、数のうえでも圧倒的だ。

 自動車税滞納による差し押さえの件数は単独では確認できないという東京都主税局として挙げた理由としては、「ほかの滞納と合わせて徴収を実施するから」という答えが返ってきた。

 個人所有や個人事業者の滞納の割合がほとんどで、数が限られるため件数そのものが少なくなるようだ。

 実際の差し押さえに関しては、ほかの金額の大きい滞納金と合わせて徴収されてしまう例が多いため、数字が出にくくなっているようだが、税務局側としては滞納については、件数よりも滞納金の徴収額の量のほうが重要で、徴収金額が実績となることもあるかもしれない。

 近年、税金の払いやすさは確実に増している。なにより、税金を期日までに納付する方法はクレジットカードでの支払いなども可能になって充実してきているから、状況が許す限り(うっかり未納にも要注意)、督促状などが届く前にすっきりさせておいたほうが、精神的にもよいはず。

 催告状の送付まで行ってしまうと、所有者の勤務先にまでに連絡が届くので非常によろしくない。税金の納付は、とかくおっくうになってしまいがちだが、痛い目に遭うことないよう心がけておきたい。

※自動車税額表ほか詳細は東京都主税局のホームページ

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