120km/h区間なのに追い越し車線に出てくる日本の大型トラックドライバーは「マナー最悪」か?【清水草一の道路ニュース】

120km/h区間なのに追い越し車線に出てくる日本の大型トラックドライバーは「マナー最悪」か?【清水草一の道路ニュース】

 クルマと道路は切っても切り離せないもの。交通ジャーナリストの清水草一が、毎回、道路についてわかりやすく解説する当コーナー。今回は最高速度80km/hのトラックが追い越し車線に入ってくる問題について考察する。

文/清水草一、写真/フォッケウルフ

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■追い越し車線を走るトラックドライバーへの苦情

 新東名の御殿場JCT―浜松いなさJCT間(145km)の最高速度が、120km/hに引き上げられて3年が過ぎた。以前に比べると大いに走りやすくなったが、一方では乗用車のドライバーの間から、新たな不満が聞かれている。

「120km/h区間の追い越し車線に、90km/hちょっとの大型トラックがちょいちょい入ってくるのは、なんとかならないか」
「大型車の第三通行帯走行を厳格に禁止にすべきだ」
「ドイツのアウトバーンでは、大型トラックやトレーラーは、粛々と第一通行帯を走っている。なぜ日本のトラックドライバーは、ああいう風に走れないのか」

 こういった、トラックドライバーに対する不満である。たしかにアウトバーンでは、大型トラックは、ほとんどの場合、第一通行帯を走っている。

深夜の新東名などでよく見られる光景。こちらが乗用車で走っていると「ちょっと怖いな……」と感じることも多い
深夜の新東名などでよく見られる光景。こちらが乗用車で走っていると「ちょっと怖いな……」と感じることも多い

 日本もドイツも、大型トラックの最高速度は80km/hで同じだが、日本の場合、スピードリミッターが効く90km/hまでは黙認されている。

 一方ドイツでは、制限速度の105%(=84km/h)を超えると摘発されてしまうので、大型車は80km/hぴったりで走っており、第二通行帯に入ってくることすらまれだ。

 やはり日本のトラックドライバーは、ドイツに比べて格段にマナーが悪いのだろうか? 私は、そうとは言えないと考えている。日本とドイツとでは、あまりにも道路状況が異なるからだ。

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