■古いクルマを所有するなら知っておきたいこと
ただ、きちんと点検を受けていても、クルマは古くなるだけで車両火災のリスクが増していく。オイルやガソリン漏れ、配線等のショートは、車両が古くなり劣化することで、発生確率が大きく上昇する。
たとえば、私が所有するフェラーリ328(89年式)は、生産から33年後に燃料ホースの劣化でガソリン漏れが発生した。以前所有していた古いメルセデスも、生産から30年強でガソリンが漏れた。
どちらも駐車場で漏れ始めたので、そのまま積載車に積んで整備工場行きとなり解決したが、どんなクルマもゴムや樹脂部品は徐々に劣化していく。さりとてホース類を定期的に全交換するかと言えば、そこまでやっている人は稀。ダメになってから交換するのが普通だ。
配線等のショートも、多くは古くなって劣化することで発生する。こちらも、ただ古いだけで配線を全交換するなどちょっと考えられない。
つまり、古いクルマ(10年10万km以上が目安)の車両火災は、通常の点検だけで防ぐことは難しい。古めの愛車を猛暑の中で走らせる場合は、少なくともクルマの状態には敏感でありたい。
たとえば、ボンネットから湯気が漏れ始めた段階で気付けば、オーバーヒートによる車両火災は防げる。私はかつて、アルファロメオ155の電動ファンが電気系の不良で止まってオーバーヒートし、首都高三宅坂トンネル内のゼブラゾーンにクルマを止めざるを得なかったことがある。
この時は水温計をまめにチェックしていたことで、エンジンの焼き付きや火災などの大事に至る前に対処することができた。ちなみにそのアルファは、まだ買って1年ちょっと。新車だからって絶対なにも起きないとは限らない(今の国産車ではまず起きないと思いますが……)。
猛暑でのドライブは、エアコンの効いた車内にいれば人間は快適だが、クルマは過酷な状況にあることを忘れないようにしたい。
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