■コスパの高さなら任せとけ!信頼性&経済性
続いては信頼性と経済性。いわゆるコストパフォーマンスの高さもここに含まれてくる。以前に比べれば日本車の新車価格は相対的に高くなり、今や輸入車との差もかつてほどではない。
しかし、購入してからのことを考えると、信頼性と経済性は重要なのは間違いない。
そこでクルマのコストパフォーマンスに一家言持つ渡辺陽一郎氏に聞いてみた。
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日本の自動車ユーザーというのは、根本的に商品が故障することを嫌うことが背景にある。例えば、食への安全性について日本は実に厳しいけど、同じことがクルマにも求められているのだと思う。
その背景にはクルマに対する文化の違いもあるのだと個人的には思う。米国や欧州は戦前からすでにクルマが根付いていたのに対し、日本でモータリゼーションが急速に発達したのは高度経済成長期の’60年代に入ってからだから。
その後、1970年代のオイルショックを迎え、日本車は「安い」「壊れない」「燃費がいい」という3つのセールスポイントをウリに輸出されるようになり海外でも評価されるようになった。
とはいえ、愛車のメンテナンスに対するディーラー網の発達や安心感などは日本特有のもの。やはり安心感は違ってくる。
皆と同じ安心感、つまり「付和雷同」というのが日本車のコスパの源にはあるのかもしれない。
■痒いところに手が届く! 至れり尽くせりの快適装備
(TEXT/永田恵一)
●カーナビ
日本車は「日本の都市部の道は非常にわかりにくい」という背景もあり、GPSができた約30年前からカーナビに力を入れていた。
当初のものは確かに50万円級の価格に見合わないものだったが、20年ほど前から実用性の向上と低価格が進み、今では当たり前の存在だ。
一方、輸入車はカーナビが付き始めたのが20年ほど前と遅く、かつ操作性にもクセがあった時期が長く、ここ数年でようやく日本車に追いついてきたというのが実情。
やはり日本人特有の几帳面さを発揮しながら、長年やってきたアドバンテージは大きい。
●自動ドア
タクシーが自動ドアなのは世界的に日本くらいなのと同様に、日本車は軽スーパーハイトワゴンやミニバンで自動ドアは当たり前の装備だ。これは日本人らしいおもてなしとお年寄りなどへの優しさの象徴だ。
一方、輸入車はというと現在日本で買えるもので自動ドアが付くのはVWシャランとベンツVクラスくらいしか浮かばない。
そもそもスライドドア車がないという事情も大きいにせよ、スライドドア車がないこと自体が使い勝手に対する国民性の大きな違いなのではないだろうか。
●後席の豪華装備
日本車は軽スーパーハイトワゴンでも後席用のモニターが付き、高級車になればマッサージ機能や電動調整など、おもてなしのオンパレードだ。
輸入車にこの手の装備が付き始めたのはここ15年ほどといったところだが、このあたりは車内を部屋のようにも考える日本車と、車内はあくまでも移動空間と考える輸入車の思想の違いと言える。
●AT
ATはアメリカと日本を中心に発展した。これはイージードライブに加え、日本は渋滞が激しいため、ATの需要が多いという背景もある。
一方、欧州車のATといえば需要が少ないのもあり、オマケ的な時代も長かった。
30年ほど前は3速ATやトラブルも珍しくなく、ラテンのクルマも含め日本車に近くなってきたのはここ数年である。
その進歩には日本のサプライヤーの貢献も多大だ。
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