■深刻な現在の社会環境を考慮
発表会でも触れてられていたが、昨今大きな社会問題となっている「あおり運転」。パイオニアの調査でもドライバーの39%が不安を感じているという。
ただスタンドアロン型ではあおられた場合、警察に連絡するもの運転中の場合、難しいケースもある。また心理的にも追い込まれている場合、なかなか冷静な対応は出来ないだろう。
そこでこの通信型ドライブレコーダーの出番である。紹介が遅れたが、今回の新商品は基本2モデル。1カメラモデルの「TMX-DM04-CS」と前後2カメラモデルの「TMX-DM04-CS-FRC」となる。
■3つの「つながる」はドライバーへの安心を担保する
通信機能を搭載することで何が出来るのか?
パイオニアは「3つのつながる」をアピールしているが、何と言ってもまずは「緊急通報機能」だろう。万が一トラブルが発生した場合、自動または手動で「ヘルプネット」のコールセンターに通報される。
補足だがヘルプネットは2000年からサービスを行っている非常時における緊急通報サービスだ。元々官民連携で作られたインフラ(企業)でもあるが、トヨタを筆頭に多くの自動車メーカーごとに名称は異なっても、基本サービスは同じで対応車種は2019年10月の段階で200万台に到達している。
そもそもドラレコは万が一の事故が起きた際の証拠保全のために活用がメインだったが、あおり運転の場合は事前のトラブル対応が求められる。
一例だが、ドライバーが実際、あおり運転を受けていると感じた場合、手動(ボタンを押す)ことでヘルプネットに接続される。ユーザー情報は登録されているので、自分の細かな情報を伝える必要もない。もちろんあおられていたら、それらの情報を冷静に伝えることもままならないだろう。
また事故やドライバー本人の体調が急変した場合、故障や車両のトラブルも同様、コールセンター側と通話することで状況によって警察、消防(救急車など)、そして連携するJAFロードサービスへの連絡を行ってくれるので何よりも“迅速な対応”が期待できるわけだ。
また気になる「通話料」も後述する料金に含まれているので安心だ。
■家族にも安否を連絡
2つめの「見守り機能」はコールセンターに緊急通報した際、予め登録しておいたメルアドやLINEに連絡してくれるサービスだ。要は家族もリアルタイムで事故等が把握できるので、本人が動揺していても、家族と連絡が取れることで(精神的な)サポートも受けられる。
■AIが事故防止をサポートする
そして3つめがAIを活用した事故防止機能である。冒頭に述べたようにパイオニアはこれまでも通信やクラウドの領域で多くのノウハウを有している。
「インテリジェント・パイロット」と呼ばれるこのシステムにはパイオニアが車載器から取得した約13年に及ぶプローブデータや関連会社であるインクリメントPのデジタル地図などを掛け合わせることで全国約60万箇所の事故リスク地点を算出する。
そして同じ場所でも時間帯、天候、運転傾向などもクラウド側で判断しドライバーに注意喚起を行ってくれる。つまり同じ場所だから同じメッセージが流れる訳ではない、と言うこと。そのメッセージ数は約800種類もあり、全てのドライバーが状況に応じたメッセージを受け取ることができる。
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