■やはりノウハウが違う
これまでも触れてきたが、やはりパイオニアはカーナビゲーションや業務用で培ってきたビッグデータも含めたノウハウが膨大だということがわかる。
現在のクラウド型ソリューションは常にサーバー側に委ねられる。もちろん基本的なドラレコの性能も十分備えているが、要はサーバー側の仕様がアップデートされることで、利用者は常に最新の機能を享受することができる。
一朝一夕ではできない。この辺は同社の大きな強みであり、この商品の投入で開花したと言っても良いだろう。
■ADASにも興味深い機能あり
補足だが、このドラレコの中でちょっと気に入ったのがADAS(先進運転支援システム)のひとつに数えられるであろう「あおりみなされ予防機能」機能だ。
これまでもあおり運転をされた際の事ばかり触れてきたが、自分が無意識のうちに前走車に接近してしまった場合のことを忘れてはいけない。
ドライバーはいつ自分が加害者になるかのリスクも潜んでいる。この機能はまさにそれで、前走車に近づいたまま走行すると車間距離を開けるように促してくれる。この他にも急加速や急ハンドルを検知し危険挙動を警告してくれたり、レーンキープサポートシステムも搭載する。
■サブスクリプションという考え方
今回のドライブレコーダー+は販売の領域でも新しい試みが行われている。
それが音楽配信サイトなどではおなじみの「サブスクリプション」である。
1カメラモデルの場合は月額1980円、2カメラモデルの場合は月額2980円(いずれも税別)だが、通信料込みで何よりも頭金が不要というのが導入時の敷居を下げることに寄与している。
販売自体はすでに専用のECサイトである「パイオニアオンラインストア」がオープンしており、そこで購入することになる。
また先行してクラウドファンディングサービスである「Makuake」でのお得な販売を行ったのだが、公開後10時間で目標金額を達成、執筆現在、割引率が抑えられたモデル(1カメラのみ)が残っている程度。つまりこの商品の有益性などを先読みできた層はリアルに反応したということだ。
一方で、月額1980円×12ヶ月=2万3760円、24ヶ月では4万7520円と市販でもハイエンドに近いドラレコが買えてしまう、と思う人もいるだろう。
それ自体は否定しない。しかし、このドラレコの最大の売りはリアルタイムにドライバーに寄り添いながら安全と安心を提供してくれる。言い方を変えればハイレベルの「保険」と考えれば納得できる金額だと感じた。
そして前述した「ヘルプネット」自体は後付けが出来ない。同じようなサービスを求めていた人、特に中古車ユーザーにとっては後付けが可能なこの商品は魅力的に映るはずだ。
あとは取り付けの問題についてはまだ公開されていないが、販売の本格化に伴って情報も開示されるだろう。
わかっていることは通信・クラウド・AIを組み合わせることで新時代の安心と安全を手に入れることができる点。今後のトレンドのひとつとなるであろう注目商品でもある。
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