国産車と輸入車を乗り継いできた筆者にとって最も違いを感じるのがブレーキ。ドイツ車は高速走行のレンジが高いだけあって、制動力は申し分ない。その一方で悩まされるのがブレーキダストの多さ。今回はその理由について解説する。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:デグナー12・写真AC・ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】なるほど国産車との違いはこれか!! 写真の文章に注目!!!(4枚)画像ギャラリー■速度域が高い欧州ではブレーキダストより制動力を優先
欧州ではアウトバーンに代表されるように日本に比べて速度域が高い。当然、安全に走行するには高い制動力は必須。ブレーキはホイールと一緒に回転するブレーキローターをブレーキパッドで挟み込んで制動する仕組みで、この時の摩擦と摩耗によってブレーキダストが発生している。
速度域が低い日本では耐摩耗性に優れ、ブレーキの鳴きが少ないノン・アスベスト・オーガニックがブレーキパッドの素材として主流。
そのため、ブレーキダストの発生は少なく、ブレーキローターへの攻撃性も低い。実際、ブレーキパッドの交換はまだしも、ブレーキローターの交換が必要になるほど使い込んだ人は少ないだろう。
一方で欧州車のブレーキパッドの素材はスチール成分の配合が多い。制動力や耐熱性は高いが耐摩耗性に劣り、ブレーキダストが多いことやブレーキローターへの攻撃性が高いことがデメリットだ。制動力やコントロール性は抜群に良いが、ブレーキまわりの交換サイクルが早く、コストがかかるため、欧州車の泣き所の一つ。
■ブレーキダスト対策はパッド変更かコーティングがオススメ
制動力とダストの抑制の両立は不可能かといわれると、そんなこともなく、実際アフターパーツにはその要求に応えるブレーキパッドが存在する。
しかし、欧州の友人曰く、ダストの量=制動力という認識があるようで、ダストが少ないブレーキは効きが弱いと不安に思う人もいるそうだ。つまり、ブレーキダストの抑制を歓迎する考え方があまりないらしい。
それでも何らかの対策をしたい人も多いはず。方法は大きく2つで、1つは前述したように、ダストの少ないブレーキパッドに変えてしまうこと。
もう1つはホイールのコーティング。コーティングをしてもダストの付着は避けられないが、水をかけるだけでも汚れが落ちるようになるため、洗いにくい複雑なデザインのホイールほどコーティングがオススメだ。
とはいえ、時代の流れによって、今後ますますハイブリッドカーやEVカーが増えて回生ブレーキを使うようになれば、ブレーキの消耗も減る。そうなれば欧州車はブレーキダストがひどい、なんて話題は過去のものになる日もそう遠くないだろう。
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