ファンカーゴ
販売期間:1999~2005年(1世代)

ファンカーゴはヴィッツをベースにしたハイトワゴンで、ヴィッツにはない広々とした室内を実現していた。ヴィッツがスターレットの実質後継車だったのに対し、ファンカーゴはまったく新しいジャンルに挑んだブランニューカーだった。
今でいうゆるキャラ的な癒されるファニーデザインはデビュー時に賛否が分かれたが、見慣れると癖になる人が続出。デビュー時と時間が経過してからのエクステリアの評価が変わったクルマも珍しい。

デビュー翌年の2000年には10万6835台を販売して登録車で5位に輝くなど一躍大人気となり、ハイトワゴンの代名詞に君臨していたほど。
しかし、トヨタはこれだけ売れて認知されたファンカーゴという車名を1代限りで捨ててしまった。2005年にデビューしたラクティスにバトンタッチ。
ファンカーゴの車名を捨てることに対しては当時トヨタ社内でもかなり議論が交わされたと聞いている。
それでも車名変更に踏み切ったのは、同じハイトワゴンでもラクティスはスペースユーティリティだけでなく、内外装の質感を高めたプレミアム性を持たせ、スポーツカーに負けない走りを実現させるというコンセプトとしているからだという。
ユーザーもファンカーゴの消滅は寝耳に水で、ファンカーゴは実績を残しながら1代限りで消滅したレアなクルマとして認知されている。

カルディナ
販売期間:1992~2007年(3世代)

カルディナは打倒スバルレガシィを掲げて、コロナをベースにステーションワゴン化したモデルで、初代モデルは乗用車のほか商用車のカルディナバンもラインナップ。
日本でステーションワゴンがなかなか認知されなかったのは商用バンと間違われる、というものだったが、カルディナの商用車ラインナップは乗用車専用のレガシィに対して大きなハンデとなったのは言うまでもない。
トヨタは2代目カルディナにレガシィGT-Bへの対抗策として、セリカGT-FOURに搭載していた260psの2Lターボエンジン(3S-GT)を搭載して臨み、好評だったがレガシィの牙城を切り崩すまでにはいかなかった。

そして最終モデルとなる3代目ではスタイリッシュさをアピールして登場。NAエンジンは刷新され、2代目から踏襲する260psの2Lターボ搭載モデルには、GT-FOURの車名が与えられたがワゴンブームが下火になっていたことも影響し大きな成果を残せず。
ライバルが好調と見ればその対抗馬をブツけて蹴落とす、というのはトヨタの得意とするところだが、カルディナは3世代にわたり打倒レガシィを標榜するも成し遂げることができなかった珍しい1台と言えるだろう。
カルディナの消滅によって、トヨタは2Lクラスのステーションワゴンマーケットから退散、ジャストサイズのステーションワゴンのカルディナの消滅を惜しむ声は意外なほど多かった。

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