2/毎年改良が行われる年次改良によって常に最新かつ最良のモデルを提供
そして乗用車の選択肢を8車種に絞ったから(OEMを除く)、プラットフォームやメカニズムの種類も抑えられて合理的な開発が行える。
共通化も進み、例えばCX-8でエンジンに改良を施すと、CX-5やマツダ6(旧アテンザ)にも時間を置かずに展開できる。頻繁な改良が可能で、ほぼ毎年行われる年次改良によって、常に最新かつ最良のマツダ車がユーザーに提供されている。
これは大きなメリットだが、ユーザーからは「いつ買えば良いのか分からない」という話も聞く。可能であれば、車種ごとに年次改良の時期を決めておくと親切だ。
3/魂動デザインによるデザインの美しさ
外観がカッコイイことも、今のマツダ車の特徴だ。マツダがラインナップのデザインの統一を図るための概念である「魂動デザイン」を打ち出したのは2010年のこと。
以来、マツダは微妙にニュアンスを変えつつ、各モデルにクラスを問わず共通するデザインコンセプトを与え、少々口悪く言えば「みな同じように見える」モデルをあえて提案し続けている。
マツダのデザイン全体を統括する常務執行役員デザイン・ブランドスタイル担当の前田育男氏は、かつて魂動デザインのスタイリングについて、「複雑な動きの集合体だが、複雑に見せないというところにこだわっている」とコメントしていた。
ボディ全体としてまとまっているなかで、ボディパネルが微妙に変化していく、そんな細部にこだわるマツダ独特の職人的な頑固さがデザインに表れている。
設計の新しいマツダ3とCX-30では、フェンダーやボディサイドが緩やかな曲面で構成され、周囲の風景がキレイに映り込む。マツダ車ならではのデザインだ。
マツダのブランド力をここまで押し上げたのは、魂動デザインといっても過言ではないと思う。欧州車を超えるデザイン力を持った日本の自動車メーカーは、マツダが突出しているのではないだろうか。
4/統一感のあるボディカラー
ボディカラーにも個性があり、今はソウルレッドクリスタルメタリックと、マシーングレープレミアムメタリックに力を入れる。
いずれも高輝度アルミフレークを使い、光の反射と吸収を使い分けて深みのある色彩を生み出した。
ソウルレッドクリスタルメタリックの塗装面は、上から透明のクリア層、その下は高彩度顔料を含む透過層、さらに高輝度アルミフレークと光吸収フレークを使う反射・吸収層があり、この下にボディパネルが位置する。
この色彩と魂動デザインの相乗効果で、今のマツダ車は美しく見える。見飽きたという声も聞かれるが、世界中を見渡しても、ここまでブランド全体で、テーマカラーを統一している自動車メーカーはあっただろうか。
5/日本車のインテリア? と思わせるほどのクオリティとこだわり
内装も上質だ。コンパクトカーのマツダ2(旧デミオ)も、プロアクティブSパッケージ以上になると、内装に合成皮革やソフトパッドを使う。
Lパッケージ以上のシート表皮は本革で、内装の見栄えを上級のマツダ3やマツダ6と比較しても遜色はない。
小さな車種にも上質な内装を与える考え方は、ボルボやBMWなど、クルマ造りに統一性を持たせたブランドの特徴だ。
内装設計にも、こだわりがある。後席の足元空間を広げることよりも、最適な運転姿勢を重視した。
シートは体重が加わる背もたれの下側から座面の後方、大腿部付近を入念に造り込み、着座姿勢を安定させる。
峠道を走っても姿勢が乱れにくく、体重を常に腰で確実に支えるから、長距離移動でも疲れにくい。腰痛を抑える効果もある。
ペダル配置も最適で、前輪駆動車ながら、前輪とペダルの間に十分な距離がある。そのためにペダルが前輪の干渉を受けて左側に寄らず、右足を自然に伸ばした位置にアクセル/ブレーキペダルを配置できた。正確な操作が行えて、踏み間違い事故を防ぐ効果も期待される。
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