走りが楽しいSUV6位:日産キックス
6位は日産キックスだ。仲間ともいえるノートe-POWERに後輪モーター駆動式の4WDがラインナップされているので今後追加される可能性があるが、現在のところはFFのみ。
というところが6位に甘んじた理由の一つ。キックスはノートとは別の欧州マイクラのプラットフォームを踏襲している。
ドイツ・アウトバーンなどを走るため、より高速向けのプラットフォームなのだ。
キックスは大幅にe-POWERのモーターアシストを見直したことで、加減速を含む電動モーターのリニアリティが進化した。
ノートe-POWERよりエンジン5%アップ、バッテリー出力15%アップ、モーターパワー19%アップの95kWの出力を発生する。最大トルクも254Nmから260Nmへと力強くなっている。
ボディもしっかりしているのでサスペンションがスムーズにストロークする。
これはバンプラバーにソフトに減衰するウレタン材を採用したことが大きい。0.1Gという早い時点からラバーを当て、大径のダンパーとともに初期ロールは素直に、横Gが増えるとしっかりと減衰を上げて、過剰なロールも抑えているのだ。
またキャスター角を10°増やし、直進性をしっかりさせ、同時に転舵時のキャンバー変化増加により、タイヤの接地性を上げている。
欧州車系の非常にスッキリとした馴じみやすいハンドリングだ。オフロードは未知数だがキックスのオンロードでの走りはコンパクトSUVのなかでも個性のある楽しいものだ。
走りが楽しいSUV選手権7位:トヨタハリアー
同じプラットフォームを使ったRAV4が2位に入れたのになぜハリアーが7位なのかと思う人は多いかもしれない。
この両車の性格付けがまったく違う。RAV4はオフロード指向のSUV、ハリアーは大人向けの都会派SUVと、同じプラットフォームを使いながらまったく異なっている。
ハリアーとRAV4を同じ日に乗り比べてみたが明らかに走り味が違った。RAV4の足はオフロードの走行も視野に入れているため、ストロークがあり、しなやか。一方のハリアーはオンロード重視のため、ストロークがあまりない。
これはどういうことかと具体的にいうと、路面の凹凸を乗り越える時に、「タタタタン」という、クルマのお尻(後部)が路面からの突き上げで叩かれるのだが、ボクはこれをタッピングと言っている。
このタッピングがRAV4よりもハリアーほうがバンバン来る。2L、FFのハリアーはもっとひどい。これはリアサスペンションが固いのが原因。
まあ、オンロードで走るために、ロールも抑えなくちゃいけないから、ストロークを少なくするのはわかるんだけどね。明らかにRAV4の方が乗り心地がいいし、しなやか。でも静粛性はハリアーの方が上。耳障りなロードノイズも少ない。
ハリアー2.5Lハイブリッドの加速感は、2Lガソリンよりも低速域が力強い。電動パワーステアリングは素直でよく磨き上げている。そういった点は評価したい。
都会派SUVとして、なによりカッコいいし、静粛性は高いのは評価できるが、総合的にSUVとして考えた場合、もうちょっと煮詰めが必要かな。それでこの順位にした次第。
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