2019年は、マークX、エスティマ、ジューク、キューブが生産終了となり、パジェロも国内向けが生産終了となり、実に寂しい年となったが、2020年はどうなるのだろうか?
そこで、最新データである2019年11月の販売台数から売れていないクルマをリストアップ。はたして、それらの売れていないクルマは、生産終了の運命が待っているのか? それとも次期型があるのか? 流通ジャーナリストの遠藤徹氏が徹底レポート!
文/遠藤徹
写真/ベストカーWEB編集部
今後どのクルマが生産終了になる?
新車の販売台数が低迷すると自動車メーカー各社は開発投資を回収できず赤字になってしまう。これを防ぐために該当するモデルの生産を短期間で打ち切るのが慣例となっている。
販売台数のカウントは国内で売られている実績だけではなく、輸出を含めた総生産台数で収益の如何を判断するので、これが決め手となる。
例えば日産シルフィやホンダジェイドは日本では売れ行き不振だが、メインの中国での売れ行きが好調でどちらも月産8000~9000台規模に達している。
したがって国内での売れ行きが悪くてもグローバルでは収益が出る車種となり、生産販売を維持できている状況にある。
またスポーツモデルは生産する自動車メーカーの技術の高さをアピールする、あるいはイメージリーダーカーとしての役割も担う役目もあるので、売れない状態でも生産販売を長く継続しているケースもある。
トヨタは大ナタ振ってどのモデルを廃止にするのか?
まずトヨタから見ていこう。現時点で生産が終了すると予想されるのはプリウスα、ポルテ/スペイド、レクサスGS、レクサスCT200hなどである。
このほか、兄弟車、アルファード/ヴェルファイア、ヴォクシー/ノア/エスクァイア、タンク/ルーミーが近い将来、それぞれアルファード、ヴォクシー、ルーミーに統合されるので、兄弟車のなかで、ヴェルファイア、ノア/エスクァイア、タンクは2021年中にも廃止となる見込みである。
小型セダンであるプレミオ/アリオンは2007年6月のデビュー。フェイスリフトなどでイメージチェンジし、生きながらえてきたものの、プレミオ/アリオンを1本化し、2021年に世代交代する方向でプロジェクトが動いているようだ。
両モデルとも廃止との情報もあったが、カローラとカムリの間の車格が離れていることから、次世代モデルの投入に踏み切るものと思われる。
次期モデルは3ナンバーサイズに拡大され、パワーユニットは2Lのガソリンエンジンやハイブリッドを搭載し、最新のトヨタセーフティセンスなどを標準装備して世代交代する見込み。
●プレミオ(693台)&アリオン(296台)/2021年フルモデルチェンジ(予想)
●ポルテ(451台)&スペイド(230台)/2020年末モデル廃止(予想)
●プリウスα(540台)/2020年末モデル廃止(予想)
そのほか、ヴェルファイア、ノア/エスクァイア、タンクは2021年中にも廃止となる見込み
※カッコ内は2019年11月の販売台数
トヨタは2020年5月に4系列店を「トヨタモビリティ店」に1本化する。2025年までに2017年時点で約60車種あった生産販売モデルを約30車種に削減する計画を公表している。
この場合は売れていたモデルでも廃止の対象になるケースもある。ただ子会社であるダイハツからのOEM供給車は逆に増える方向にあるので、オールトヨタブランドでは半分よりも多くなる見込みである。
兄弟車は乗用車だけでなくプロボックス/サクシードなど商用車もあり、こちらも統合の対象になっている。
ポルテ/スペイドは2012年7月のデビューで、実に7年半もフルモデルチェンジしていない。ポルテ/スペイドも前述した車種整理&統合の対象車となっており、2020年末をもってモデル廃止になる可能性が高い。
2011年5月にデビューしたプリウスαは、2015年12月にデビューした現行プリウスからすでに4年が経過しているが音沙汰なし。
2020年にフルモデルチェンジするという情報も入ってきているが、現実問題、車種整理&統合が行われていることを踏まえるとモデル廃止となる可能性が高い。
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