次期モデルは電気自動車(BEV)オンリーで登場するとの情報だったスープラだが、ここにきて変化あり。なんと、エンジン車も残ることになったというのだ。こんな方針転換なら大歓迎。最新情報をお届けする!
※本稿は2023年4月のものです
文/ベストカー編集部、写真/TOYOTA、ベストカー編集部、予想CG/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年5月26日号
■喜んで訂正します!
2023年の2月10日号で『2025年EVスープラ発進!!』と題したスクープ情報をお届けした。
信頼できる筋から一報が入り、次期スープラはBEV専用モデルとして開発されていることが判明。それを速報としてお届けしたわけだが、これは2022年12月に入手した情報だった。
あれから4カ月。社長交代などトヨタの激動に合わせるかのように、次期スープラにも大きな動きがあった。BEVに加えてエンジン車の開発も新たに進められることになったというのだ。
2035年以降、エンジン車の新車販売を禁止するとしていたEUが方針を転換し、eフューエル(CO2と水素を合成して作るカーボンニュートラル燃料)を使うエンジン車を容認するとしたのが3月下旬。
その後、国際自動車工業連合会(OICA)も脱炭素対策は複数の技術で柔軟に行っていくことを確認し、さらに、札幌で行われていたG7気候・エネルギー・環境相会合でも、温室効果ガス削減は「多様な道筋で実現する」との声明を発表した。もちろん、この声明にはクルマに関する方針も含まれている。
つまり、BEVもしくはFCEV(燃料電池車)一辺倒だったクルマの脱炭素戦略にエンジン車も加わってきたということで、これはトヨタが長年続けてきた全方位戦略を世界が認め始めたということでもある。
この世界の変化が次期スープラにエンジン車も加えるという方針転換と結びついているかどうかはわからないが、「偶然の一致」と片づけるのも違うように思える。
トヨタ社内では「全方位戦略は正しかった」との安堵の声が広がっているといい、エンジン車を継続させることに「世界のお墨付きを得た」という感覚を抱いたという見方もおかしくはないはずだ。
もうひとつ深読みすると、EUの方針転換がなかったとしても、理論上は12年先の2035年までエンジン車も販売することはできた。次期スープラもエンジン車の開発は水面下で進んでおり、状況を見て正式に判断する計画だった可能性もある。
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