常識とは時代とともに変わっていくもの。しかしクルマについてはなぜか古い常識がいまでもまかり通っていたり、頑なに時代の変化を認めないことも多い。そこで今回は代表的なものをいくつか挙げて、その常識が古くなっていないか調査してみた。
あなたが語っているクルマの常識、もう古いかもしれませんよ? 「若いのに3ナンバー乗ってるなんて生意気だね」とか言ってませんか?
文/永田恵一、写真/HONDA、TOYOTA、MAZDA、SUZUKI
■若者が3ナンバーはけしからんってマジですか!?
●軽自動車は安い
90年代まで軽自動車は100万円以下のものが多数あるなど、軽自動車の価格はコンパクトカーに対し明確に安かった。
しかし、特に近年は軽自動車も安全装備をはじめ装備内容が充実しているなど、コンパクトカー以上に満足度が高まっているものも少ない。それに伴い、価格も車両本体だけでコンパクトカーより高い200万円近い軽自動車は珍しくなく、「軽自動車は安い」という常識は通じなくなっている。
ただ、軽自動車は車両価格が高くても、軽自動車税をはじめとした固定費は安く、それに伴い中古車の需要が多いなどリセールバリューは高く、長い目で見た総合的な出費が安いケースは多い。
●軽自動車は燃費がいい
特に平成初期までは、軽自動車は機能を割り切ったクルマが多かったこともあり車重も軽く、コンパクトカーより燃費がいいことも多かった。
しかし、2000年代以降は次に書く衝突安全性の向上による重量増、主力となった全高の高いハイトワゴンやスーパーハイトは車重が重いのに加え空気抵抗も大きく、その割に排気量が660ccと小さく動力性能の余力も少ない。
結果アクセルの踏み込み量が多いため、現在「コンパクトカーより軽自動車の方が低燃費」というケースは走行パターンに限らずあまりないというのが実情だ。
●軽自動車の安全性は低い
特に軽自動車の規格が現在のものとなった1998年以前は、軽自動車は衝突安全性の法規が登録車より緩いものだったこともあり「軽自動車の安全性は低い」というのは確かだった。
しかし、現在の規格になってからは軽自動車の衝突安全性の法規も登録車と同じとなり、近年の軽自動車はプアなタイヤを履くことが少なくなったのに加え、自動ブレーキの性能は登録車より高いものも多いなど、「軽自動車の安全性は低い」とは言えなくなっている。
ただ、軽自動車は小さく、車重もクルマ全体で見れば軽いため重量車と衝突した際や、追突された際のリアシートの衝突安全性の不利は否めないので、このあたりは頭に入れて欲しい。
●若い人が3ナンバー車に乗るのは生意気
特に昭和の時代までは3ナンバー車の自動車税は5ナンバー車の倍だったのに加え、3ナンバー車は価格も高かったこともあり、それも確かだった。
しかし、平成以降自動車税は排気量に応じて段階的に高額になるという制度になったのもあり、3ナンバー車は一気に普及した。
さらに近年はコンパクトSUVのトヨタヤリスクロスなど「排気量は小さいけど、全幅が5ナンバー枠の1700mmを超えるので3ナンバー」というモデルも増えており、「3ナンバーだから○○」ということは皆無になっている。
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