世界中の道なき道で圧倒的信頼性を誇るのがランドクルーザーなら月面車はルナ・クルーザー!?
トヨタは8月28日、燃料電池車両技術を用いた月面車の愛称を「LUNAR CRUISER(ルナ・クルーザー)」と命名したことを発表。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発を進める月面車の「本気度」とは? 改めて現時点で明らかになっているその詳細と計画の全容をお伝えしたい。
文:鈴木直也、写真:トヨタ
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10年後までに月を走る!? トヨタとJAXAの月面車計画
トヨタがJAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同で開発中の月面車が、ルナ・クルーザーと名付けられたと発表された。
知らない人は「何それ?」かもしれないが、じつはトヨタは10年ほど前からJAXAと共同事業を行なっている。
最初に有名になったのは、キロボと呼ばれる小型ロボットを国際宇宙ステーションに送り込むというプロジェクト。無重力状態におけるロボットの動作とその活用方法が研究された(ちなみに、このキロボはスペースX社のドラゴン5号機に搭乗して地上に帰還している)。
その次のテーマとして掲げられたのが、この月面車という壮大な計画だ。
1969年に人類を初めて月に送り込んだアポロ計画以降、有人月面探査は途絶えたままだが、最近ふたたび有人宇宙船で月を目指そうという計画が話題になっている。
JAXAもその主要メンバーとなっているISECG(国際宇宙探査協働グループ)では、2030年までに月面に有人探査機を送り込むミッション・ロードマップを描いているが、それがこのルナ・クルーザーの檜舞台となる予定だ。
アポロ計画でも15〜17号で簡易型の月面バギーが送り込まれ、月探査の範囲を大きく広げることに成功した歴史がある。だから、ただ月面を走り回るだけの“ゴルフカート”みたいなクルマなら、技術的なハードルはそう高くないともいえる。
ところが、トヨタとJAXAが計画する月面車は、とてもそんなレベルの代物じゃない。
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