新型コロナ感染症の新規感染者数が激減したことにより緊急事態宣言が解除となり、経済活動が息を吹き返しつつある。そしてここのところよく聞かれるのが「リベンジ消費」という単語だ。
これまで抑えられていた消費意欲が、一気に高まることが期待されている言葉だが、新車の販売については、実は逆風が存在する。
大きいのは何といっても世界的な半導体不足だ。本来ならばモーターショーイヤーだった2021年は多くの新車が発売され、さらに環境性能をさらに高める改良モデルも登場している。しかしこれらの納期が不透明だというのだが……。
文/小林敦志、写真/ベストカー編集部、TOYOTA、NISSAN、AdobeStock
■世界的半導体不足は自動車業界にも大きな影響が
世界的な半導体不足など、サプライチェーンの混乱により、自動車産業のみならず多方面にわたり悪影響が及んでいる。このような状況を生んだ背景にあるのが新型コロナウイルスの世界的なパンデミックにあることはいうまでもないこと。
新型コロナウイルスの世界的なパンデミックがこのまま長期化し、本格的な経済活動の再開がまだ先と読んだ、世界の自動車も含むメーカーは、半導体メーカーへの半導体の発注を絞り込んだのだが……。
しかし、先進国を中心に新型コロナウイルスワクチンの接種率が高まっていくと、急速に感染拡大が収まっていき、各国が順次経済活動の再開に舵を切り始めた。
すると、“リベンジ消費”ともいわれるほど、消費者の高い消費意欲に支えられ、さまざまな製品の売り上げが一気に高まったので、「いざ増産!」となった。
増産を受けて半導体メーカーに発注すると、「そんなの聞いてないよ」状態となり、今日の半導体不足を招いたとされるというのは、今日の半導体不足の背景のひとつとされている。
サプライチェーンの混乱については、日本の自動車産業については、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国のパンデミックはいまだくすぶり続け、ワクチン接種率が世界的にも高いシンガポールで再感染が起きるなど、依然としてASEAN域内全体をみると不安定な状況が続いている。
そのため、最近でもマレーシアではロックアウト、ベトナムでも厳しい行動制限などが続き、ASEAN諸国にある部品メーカーから、日本の完成車メーカーの工場への部品供給について危機的な滞りが発生する状況が続いている。
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