コインパーキングやショッピングモールの駐車場などの有料駐車場では、クルマで発券機や精算機を通過しなければならない場合がありますが、駐車券の発券はまだしも、お金を入れてお釣りを受け取ることができる程度にクルマを寄せるのは、なかなか難しいもの。筆者もしばしば、コインパーキングの発券機でクルマを寄せきることができず、運転席から降りて、清算をしています。
しかし、クルマから降りて券をとったり清算をしたりするのは、カッコ悪いし、乗り降りで時間がかかるぶん、後続車に迷惑がかかると考えると、できるだけ避けたいところ。どうしたら精算機に上手くクルマを寄せることができるのでしょうか。
文:吉川賢一
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難しいのは旋回直後に機械がある場合
高速道路の料金所のように、直進した先に発券機や精算機がある場合は難しいことはないと思いますが、曲がった先に発券機や精算機がある場合は、難易度が上がります。いちばん難しいのは、一般道路から左折で侵入した直後に発券機があるような有料駐車場。筆者もそのパターンが苦手で、道路から歩道に進入したすぐ先に発券機があると、幅寄せしきれずに、あれ、全然届かない…となってしまいます。
普段よく利用する場所であれば、何度も通過するうちに慣れることもあるでしょうが、初めて利用する場所だと、うまくいかず、当たり前ですが、駐車場によって条件が異なるため、なかなか「慣れる」こともできません。ただ、運転の上手な人は、大きなミニバンだろうと、背高のSUVだろうと、上手に寄せることができています。
クルマの向きをしっかりと変えてから幅寄せを
左折してすぐの発券機に寄せるポイントは、「クルマの向きを変えること」と「発券機に寄せること」を、2つに分けて考えること。この2つを一発で決めようとすると、左折時にハンドルを切るポイントが定まらず、失敗する確率が高いです。
発券機とクルマが平行となるよう、1段階目でクルマの向きをしっかりと変えて、2段階目で足りない分を寄せていくことで、ラクにクルマを寄せることができます。上級者は一発で決めているようでも、この「旋回」と「寄せ」を連続でこなしているのです。
第一段階の旋回では、徐行をしながら発券機の位置を確認し、歩道を横切る前で一時停止したあと、左後輪が路側帯に当たらないよう内輪差に気を付けながら、ハンドルを左へ多めに切って、クルマの向きを変えます。このときはまだ、「発券機に寄せる」ことは考えずにOK。
クルマの向きが変わったら、発券機とクルマができるだけ平行になるよう、ハンドルを戻していきます。このアプローチができれば、既に8割は終えています。あとは、サイドミラーにぶつからない程度にクルマを寄せればOKです。
旋回前にしっかり徐行することと、ハンドルを多めに切って向きを変えることは、ポイントとして押さえておいてほしいところ。切り始める位置の見定めには、やはり「慣れ」と「勘」が頼りです。寄せが苦手な方は、まっすぐ進むのをガマンできず、ハンドルを切り始めるべきポイントのだいぶ手前からハンドルを切ってしまうため、クルマの向きが変わった頃には、発券機に手が届く位置を過ぎてしまいがちです。
すこし話が逸れますが、狭い道に入る際も同様で、旋回前にしっかり車速を落とすことがポイントです。旋回方向とは逆にハンドルを切ってから旋回する、いわゆる「あおりハンドル」をするドライバーをまれに見かけますが、あおりハンドルは、後続のクルマや二輪車にとってはたいへん迷惑で危険な行為。極端に狭い道に入るとか、ホイールベースの長い大型トラックでない限り、あおりハンドルは必要ありません。
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