「混むんだよな」と分かっていても、お盆時期に高速道路を走らなければならない人は多いはず。アダプティブ・クルーズ・コントロールの普及などによって、渋滞時の苦痛も多少は軽くなりつつあるが、それでもやはり渋滞はイライラの種だ。
そんなときにぜひ試してほしいのが、「渋滞吸収運転」だ。高速道路での走り方をちょっと変えるだけで、クルマの流れがスムーズになり、引いては渋滞の緩和にも効果があるという。「なんじゃそりゃ?」という人のために、そのやり方をお伝えしよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、Adobestock(トップ画像 = Alexandra Gl@Adobestock)
【画像ギャラリー】心にゆとりをもって走りたい高速道路の渋滞(4枚)画像ギャラリー「気づかない上り坂」が渋滞の原因
そもそも交通渋滞とはなにか。東京大学の大口敬教授は国際交通安全学会のレポートで「交通容量上のボトルネックにその地点の交通容量を超える交通需要が流入しようとするときに、ボトルネックを先頭にしてその上流区間に生じる車両列(渋滞車列)における交通状態(待ち行列)」と定義している。
で、その渋滞の起点となるボトルネックだが、高速道路では「気づかない上り坂」が原因になることが多い。いわゆる「サグ」と言われる部分だ。路面が上っているので車速がじわじわ低下するのに、ドライバーがアクセルを踏み増さないために後続車との車間距離が詰まる。すると後続車がブレーキを踏むために車速が落ち、これが次々と繰り返されて渋滞になるという寸法だ。
車間距離を長めにとり停車しないように走る
こうした渋滞発生に効果を生むとされるのが、「渋滞吸収運転」だ。渋滞を吸収するとはすごい運転技術だが、簡単にいえば「渋滞時に前走車との車間距離を多めにとり、極力停車しないようにする運転」とでもいえようか。
言葉でいうとなんだか難しいが実際にやることは簡単だ。
(1)前方が渋滞してきたと思ったら速度を落とし、渋滞の最後尾につかないようにする
(2)車間距離を20m(=高速道路の白線部分とその余白1セット分)程度に保ちゆっくりと走る
(3)前方に割り込まれてもよい。その場合はさらに速度を落として再び車間距離を空ける
つまり、車間距離を多めに空けることで前を走るクルマの小刻みなブレーキや再加速を吸収し、後に続くクルマの速度変化をできるだけ緩やかにするわけだ。
高速道路では時折、大型トラックや観光バスがこうした動きをしていることがある。車重のあるクルマは停止>再発進にエネルギーを使うため、それを避けるための動きなのだが、まさにあれこそが渋滞吸収の動き。自家用車に乗る私たちもあの走りを見習えばよいというわけだ。
コメント
コメントの使い方