電動化に積極的な欧州メーカーは、相次いでBEVのニューモデルを投入。なかでもSUVタイプのBEVが多く、今回はVWがBEV専用車として開発したID.4と、今後の全車電動化を目指すボルボが送り込むXC40のBEVモデルを比較チェックする。
※本稿は2023年5月のものです
文/水野和敏、ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部、撮影/池之平昌信
初出:『ベストカー』2023年6月26日号
■XC40リチャージとID.4で対決
今回は欧州のBEV(純電気自動車)を2台取り上げます。
最近ではe-Fuelを使うエンジン車の認可も話題になっている欧州ですが、BEVの販売には依然積極的で、フォルクスワーゲン(VW)はID.4を日本に投入し、さらにBEVラインナップを強化していく計画です。
また、ボルボは早期の純電動化をブランドの方針と掲げ、PHEVに加え、ぞくぞくとBEVをラインナップに加えています。
今回はVWのID.4とボルボXC40のEVを徹底的に評価していきます。
通常EVは、バッテリーを衝突の衝撃から守る頑丈なフレームに取り付けてフロア下に搭載しているのでフロア剛性が高く、また同時に、重いバッテリーが車両中心部分の最も低い位置に搭載されるため低い重心位置となり、前後の重量配分も均等化(約50:50)されて、静かで乗り心地のよいクルマに仕上がっています。
一般的に動力源のモーターは、現在のエンジンほど、バリエーションによる違い(個性)はありません。
エンジンは排気量やターボチャージャーの有無、内部の燃焼室やピストンの仕様、そして圧縮比や制御のセッティングなど、いろいろな要素が組み合わさります。
それによって出力の特性やレスポンスの違い、吸気や排気の音色など、多様な性能とフィーリングをユーザーは選択して味わえます。これが商品の個性や特徴になります。
この個性や特徴はある意味、無駄や非効率な部分、あるいは騒音や振動などと、表裏一体ですが、個性や特徴の違いは、クルマの快感や楽しさ、所有する喜びにつながっています。
しかし、騒音や振動がなく、駆動力以外の違いが薄い電動モーターは、エンジンのような特徴は演出できません。
さらに効率を追求すると、どれも同じような特性になります。現状はアクセルの踏み方と出力の出し方や、回生ブレーキの強弱などによるモーターの制御だけが、違い(個性)になっています。
コメント
コメントの使い方電気自動車なんかもう誰も買わないっすね。時期尚早でしたね。