■フォルクスワーゲンID.4の評価は?
●水野和敏 取材メモ
・BEV専用開発されたプラットフォームは、特にフロントセクションの車体構造がガッチリしており、高い剛性を発揮し、リニアな操縦性に寄与する。
・駆動用モーターはリアアクスル部に置き、後輪を駆動するレイアウトは、BEVでは理想的。フロントセクションの設計自由度が高まるのだ。
・2トンを超える車重に対し、ブレーキ容量はやや不足。大径ローターを装着してほしい。
フォルクスワーゲンがBEV専用モデルとして開発。204ps、31.6kgmを発揮するモーターをリアに搭載し、後輪を駆動する。大きくスペースを必要とするエンジンとは異なるのだから、BEVはモーターをリアアクスル部に配置した後輪駆動とするのが合理的。
フロントからエンジンなどがなくなるので、衝突対応ボディや車体剛性の設計にも自由度が出る。ID.4はガッチリしたフロントの車体剛性を作り上げている点を高く評価する。
一方で、シンプルにコーディネイトされた造形はいいが、プラスティック感が強いインパネはマイナス。また、ブレーキ容量はやや不足気味でマイナス評価となる。
●VW ID.4 Pro 諸元
全長:4585mm
全幅:1850mm
全高:1640mm
ホイールベース:2770mm
最低地上高:─
最小回転半径:5.4m
車両重量:2140kg
電動機:交流同期電動機 後輪1基搭載
最高出力:204ps/4621-8000rpm
最大トルク:31.6kgm/0-4621rpm
総電力量:77.0kWh
一充電走行距離:618km
WLTCモード電費:139kW/km
Fサスペンション:ストラット
Rサスペンション:マルチリンク
タイヤサイズ:F:235/45R20 R:255/45R20
車両価格:648万8000円
■ボルボXC40リチャージの評価は?
●水野和敏 取材メモ
・内燃機関搭載からBEVへの過渡期のモデル。BEV化を念頭に置いたプラットフォームだが、やはりフロントセクションに無駄なスペースが残っている。
・前後2モーターのAWDだが、最大トルク67.3kgmの動力性能は過剰。リアシングルモーター仕様のパフォーマンスで実用上は不満がない。
・乗り心地や長距離ドライブでのリラックス性を重視した足のセットは、ややブルブル感が残る。
ガソリンエンジンモデルが先に登場していたミッドサイズSUVのXC40のBEVモデル。TWIN MOTORの車名が示すように、前後2モーターを搭載するAWDが今回の試乗車。ただし、シングルモーター仕様も設定されており、2024年モデルは前輪駆動から後輪駆動に変更され、RRに進化した点は高く評価。
正直言って2モーターの叩き出す67.3kgmはやや過剰。そこまでの動力性能は求めないし、この動力性能に対してブレーキ容量が物足りない。フルブレーキング時に車体の重さを感じるのだ。
しなやかな乗り心地は心地いいのだが、ややブルブル感が残るのもマイナス評価だ。
●ボルボXC40 RECHAGE ULTIMATE TWIN MOTOR 諸元
全長:4440mm
全幅:1875mm
全高:1650mm
ホイールベース:2700mm
最低地上高:180mm
最小回転半径:5.7m
車両重量:2150kg
電動機:交流同期電動機 前後輪2基搭載
最高出力:408ps/4350-13900rpm
最大トルク:67.3kgm/0-4350rpm
総電力量:78kWh
一充電走行距離:484km
WLTCモード電費:188Wh/km
Fサスペンション:ストラット
Rサスペンション:マルチリンク
タイヤサイズ:F:235/45R20 R:255/40R20
車両価格:793万9650円
コメント
コメントの使い方電気自動車なんかもう誰も買わないっすね。時期尚早でしたね。