公道初試乗! トヨタ新型MIRAIに「日本の誇り」と「ものづくりの真髄」を見た!

公道初試乗! トヨタ新型MIRAIに「日本の誇り」と「ものづくりの真髄」を見た!

 2代目に進化したトヨタ MIRAIを公道で初試乗。「リアルワールド」で一体どんな走りを見せてくれるのか?

 そこでわかったのは、トヨタの恐るべき技術力と電動車に対する哲学。そして思い浮かんだのは、「日本の誇り」という言葉だった。

※本稿は2021年2月のものです。1月23日試乗。試乗車はZ“エグゼクティブパッケージ”。
文/鈴木直也 写真/ベストカー編集部 撮影/平野 学
初出:『ベストカー』 2021年3月10日号

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■前輪駆動から後輪駆動に変わった2代目 のびのびとしたプロポーションを手に入れた

 新型ミライに初めて試乗したのは、昨年10月の富士スピードウェイショートコース。

 きわめて高度なテクノロジーが高い完成度でまとめられているのに驚愕した。

 今度はそれを初めて公道に持ち出しての試乗。FSWでの好印象が一般道ではどう変わるか。個人的にも大変楽しみな取材だった。

 ところが、試乗当日は朝から冷たい雨。できれば晴れた日に試乗したかったというのが本音だ。

試乗日はあいにくの雨だったが、ジェントルでありながら運転の楽しさも感じさせてくれる走りに、気持ちは昂るばかり
試乗日はあいにくの雨だったが、ジェントルでありながら運転の楽しさも感じさせてくれる走りに、気持ちは昂るばかり

 冷たい雨に濡れた身体を温めるため、とっととドライバーシートに避難。ダッシュボードの起動スイッチをオンにしてシステムを起動する。

 ありがたいことに、お任せモードの暖房を選択すると自動的にシートヒーターとステアリングヒーターが作動するらしい。

 ひと心地ついたところで、セレクターをDレンジに入れて走り出してみよう。

 バッテリーから電気をもらうか、水素を使って自分で発電するかの違いはあれど、FCVもEVも走行はモーターによる。

 EVが珍しい存在ではなくなった今日、予備知識なしにミライに乗ったら、ほとんどの人は「EVらしく静かでスムーズですね」と言いそう。

 また、起動ボタンやシフトはプリウスなどとほぼ同様だから、これもほとんどの人がまごつくことなくなじめそうだ。

伊能忠敬記念館のある千葉県香取市。江戸時代の面影を残す「佐原の町並み」に、最新技術の塊であるミライがよく似合う。自らの足で測量して日本地図を完成させた伊能忠敬が、もし今生きていたら、地図作りの相棒に新型ミライを選んだかもね
伊能忠敬記念館のある千葉県香取市。江戸時代の面影を残す「佐原の町並み」に、最新技術の塊であるミライがよく似合う。自らの足で測量して日本地図を完成させた伊能忠敬が、もし今生きていたら、地図作りの相棒に新型ミライを選んだかもね

 市街地でクルマの流れに乗って走るドライブフィールは、ゆったり上質な乗り心地と穏やかなトルク感が印象的だ。

 もちろん、右足をガツンと踏み込めばそれなりにグッと力強く加速するが、そんな状態でもエレガントさを失わないのが持ち味。

 首都高の合流などで全開加速を試しても加速感はそれほどエキサイティングではなく、必要十分という評価が妥当だろう。

思い切ったデザインながら、フォーマルさも残る。次世代車ではトヨタの安心感がありがたい
思い切ったデザインながら、フォーマルさも残る。次世代車ではトヨタの安心感がありがたい

次ページは : ■ミライに感じる電動車の哲学

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