三菱ふそうトラック・バスが2020年に発表したコンセプトモデル「eキャンター F-CELL」
背の低いドライバン架装は「eキャンター」との差別化が目的? 機器はすべて床下に収まっており、架装の自由度は「eキャンター」と同等だ。右後部には充電用のソケットが備わり、バッテリー容量は小さいもののプラグインハイブリッドとしても機能する
量産型F-Cellモデルの構造イメージ。今回試乗したプロトタイプとは一部レイアウトが異なり、燃料電池用の冷却システムが車体前方に移動~水素タンクが3基から4基に増えている。EVのシステムも今後発表予定の次期型eキャンター用と共用化されるようだ
システムの主電源スイッチ以外は「eキャンター」と変わらない運転席周り。シフトレバーはPRNDの切り替えのみ。補助ブレーキレバーはオンにすると回生力が高まる。インパネ中央に置かれたタブレットPCは車両の運転状態を示すもので、車速とアクセル開度に対するモーター出力(駆動/回生)と燃料電池の発電出力、水素タンク/高電圧バッテリーの充填率などを集約的に表示する
発進加速の鋭さはEVの持ち味だが、水素の供給量変化に対する発電量の応答性は穏やかなのでバッテリーの搭載は必然的。試乗車の加速感は量産型「eキャンター」には及ばなかった
ディーゼル車と同じ場所に置かれた燃料電池用のエアクリーナー。吸入した空気は高分子膜に触れるためエンジンよりも厳しい浄化性能が求められるという
車体左側に配置された高圧水素の充填ポート。70MPa級の高圧タンクに水素を充填する設備の普及は実用化への課題の一つとされる