清潔感が溢れたインテリア
センターメーターだった先代アクアに対して、新型アクアはメーターがドライバー正面へと移動、代わりにインパネ最上段に10.5インチ大型ディスプレイオーディオが収まった。このレイアウトは、基本的にはヤリスと同じだ。ステアリングホイールもヤリスと共用となる。
シフトノブは先代アクアのようなゲート式ではなく、プリウスと同タイプ(手を離すとセンターに戻る)となる。所々に配置した合皮巻きのオーナメントやアームレスト、パワーシートなど、豪華に魅せる工夫が仕込まれている。ボックスティッシュも収納できる助手席アッパーボックス、センターコンソールには充電ケーブルをスッキリ格納できるスライド式トレイも採用する。
トップクラスの低燃費を達成!!
新型アクアのパワートレインは、ヤリスやヤリスクロスと同じく、リダクション機構付のTHS II(1.5Lダイナミックフォースエンジン)の1種類。これは先代も同じだが、今回の新型のホットポイントは、新しいバッテリー技術「バイポーラ型ニッケル水素電池」だ。豊田自動織機と共同開発をしたこの新電池は、駆動用バッテリーとしては、新型アクアへの搭載が「世界初」となる。
バイポーラ型とは、一枚の集電帯の片側に正極を塗り、もう一方の面に負極を塗った構造だ。セル同士を端子で繋ぐ必要のあった従来型バッテリーに対し、バイポーラ電極を重ねて一つのセルを作り、これを複数枚重ねる構造としている。このため、部品点数が減ってコンパクトになり、従来型電池と同等のスペースに、より多くのセルを搭載可能となる。
また、通電面積が広いので電気抵抗が減って、大電流を流すことができ、約2倍のバッテリー出力を実現。その結果、これまで以上にモーターの使用領域が拡大し、街中の多くのシーンで、パワフルな電気走行が可能となったそうだ。
(編集部註/従来型は15~20km/h近辺でEV走行からエンジン走行に切り替わるのに対し、新型は40km/h近辺までEV走行を続け、それにより「上質感」を演出する走行性能を持つという。なお新型アクアはビジネスユースの多い最安価なBグレードのみ従来のニッケル水素電池を搭載しており、それ以外の全グレードにこの新型電池が搭載される。トヨタは「将来の商品計画については答えられない」として明言を避けたが、今後トヨタ製ハイブリッド車の多くがこの新型電池に切り替わっていくと予想される)
さらには、回生ブレーキで滑らかな減速をする「快感ペダル」も採用。走行モードを「POWER+モード」に変更することで、アクセルペダルを緩めると回生減速が行われて、滑らかに減速することができる。これによって、ペダルの踏み換え頻度は40%も低減するという。
「当然、日産の(ノートe-POWERに代表される)【ワンペダル】はおおいに研究させていただき、参考にいたしました。そのうえで、快感ペダルはトヨタとして自信をもって出せる性能にまで磨き上げています(トヨタ広報部)」とのこと。ノートe-POWERの「ワンペダル」はアクセルペダルの操作だけで完全停止まで可能だが、トヨタの「快感ペダル」は研究のすえ、あえて「停止まではしない機能」にしてあるという。
なお燃費は、WLTCモード燃費35.8km/L(市街地36.5、郊外39.5、高速33.5)にもなる※Bグレード。CO2排出量は65~77g/km(WLTCモード)だ。これほど低いCO2排出量のコンパクトハッチは、これまで見たことが無い。
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