悲願のNinja超えなるか? 技術集団スズキらしい造り込みが光る「GSX-S1000GT」国内発進【開発者取材】

 基本設計を兄弟車と共有しながら、専用装備と入念な造り込みで差別化を図ったGSX-S1000GT。まさにスズキらしい、信頼できる1台に仕上がっているはずだ。

宿敵Ninja1000SXはコスパ抜群、素の運動性能でGTが勝利か

 最後にライバルと比較したい。スポーツツアラーのジャンルで人気が高いのはカワサキ・Ninja1000SXだ。2021年のデビュー以来、ジャンルの顔役に君臨し、2021年の大型クラス販売ランキングでも8位を記録(二輪車新聞調べ)。1000cc級の並列4気筒を積み、アップハンドルとスーパースポーツに近い走りもGTと似ている。そもそも従来型GSX-S1000Fがデビューした際、Ninjaとよく比較されたものだ。

現行Ninja1000SXは2020年に登場した4代目。6回の点検や3回のオイル交換費用が含まれるカワサキケアモデルだ。151万8000円
現行Ninja1000SXは2020年に登場した4代目。6回の点検や3回のオイル交換費用が含まれるカワサキケアモデルだ。151万8000円
GTに比べ、ややコンパクトで最大トルクが厚いNinja。燃料タンク容量やタイヤサイズは同一だ
GTに比べ、ややコンパクトで最大トルクが厚いNinja。燃料タンク容量やタイヤサイズは同一だ

 GTの最高出力はNinjaより9ps高い150ps。最大トルクはNinjaの方が0.5kg-m高い。車重はGTが10kg軽い226kgで、基本的な動力性能はGTが上回るか。

 一方、電脳のグレードはNinjaが上だ。GTにはない6軸IMU(慣性センサー)を備え、バンク中の出力とブレーキを制御するコーナリングアシスト機能を搭載。4種類の走行モード、3パターンのトラコンにもIMUの情報を元に精緻な制御を行う。

 なお、スマホ連動機能付きのカラー液晶メーター、双方向対応のシフター、クルコンは2車とも装備。ただし、Ninjaのスマホ接続機能はシンプルで、メーターにナビなどを映し出す機能はない。

 装備としてはスクリーンに調整機能があるのはNinjaの美点。なお、純正サイドケースが簡単に装着でき、取り付けにかかる費用も同等だ。

 デザインは好みなのでともかくとして、メンテ費用コミのNinjaの方がGTより8万5000円安く、コスパ良好に見える。しかし多機能なメーター、そして一朝一夕には手に入らない軽量&ハイパワーという基本性能を重視したい人にGTがオススメだろう。実際に乗って比較できる日が楽しみだ。

【画像ギャラリー】新型KATANAもGTと共通のモデルチェンジを実施!(21枚)画像ギャラリー

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