日本で初めて行われた対歩行者の自動ブレーキ評価が2016年12月1日に公開された。これまで対歩行者のテストを含まない予防安全性能の試験では、スバルのアイサイト搭載車がトップの成績を残してきた。
しかし、今回マツダのアクセラがアイサイト搭載のインプレッサを上回る高得点をマークした。
今回はその理由とともに、対歩行者の自動ブレーキ評価」がいったいどんな試験なのかを解説する。
文:西村直人、WEBベストカー編集部
ベストカー2017年1月26日号
得点に差が付いた項目とは
今回、予防安全性能アセスメントに対歩行者検知のテスト項目が新たに加えられた。その2016年度試験の評価を受けたのは全部で11車種。
スバル アイサイト搭載車では4モデルが評価を受けた。結果はアクセラが70.5点で、アイサイトを搭載する4台のうち最高得点をマークしたのは69.5点のフォレスター。
新型インプレッサは68.9点となり、レヴォーグ/WRXは68.5点、レガシィも68.0点とアクセラの得点を超えることができなかった。
参考までに、フォレスターの得点は11車種中2位で、新型インプレッサも同3位とアイサイトの評価は高い。
だからこそマツダのアクセラが、アイサイト勢以上の得点をマークしたことはトピックといえるのだ。
評価を見ると、対車両の衝突軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)得点や「はみ出し警報」、「後方視界情報」の得点は、アクセラもアイサイト勢も全車満点。
差が付いたのは対歩行者の衝突軽減ブレーキの得点だった。
(WEBベストカー編集部)
鍵は対歩行者の自動ブレーキ試験にあり
2014年度からスタートした「予防安全性能アセスメント」。当初は1.「自動ブレーキ安全性能評価(対車両)」と2.「車線逸脱警報装置」の試験が行われていたが、2015年度からはこれに3.「後方視界情報」が加わった。
そして、2016年度からは4.「対歩行者自動ブレーキの安全性能評価(昼間)」が加わり、1~4の試験の合計がアセスメント結果の総合得点として表示される。
この総合得点は4.が加わったことで46点から71点満点へと変更されたが、これが最終値ではなく将来的には5、6……、と新規試験が複数加わり最終的に100点満点で表示されることが予定されている。
今回新たに加わった「対歩行者~」は読んで字のごとく“人”に対する衝突被害軽減ブレーキのアセスメントで、試験方法は大きく分けて2種類。
A.見とおしのいい道路上を横断する歩行者を検知する試験(=CPN試験。試験速度は10~60km/h)と、B.駐車車両の陰から横断してくる歩行者を検知する試験(=CPNO試験。同25~45km/h)だ。
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