2018年11月28日、ロサンゼルスモーターショーの前夜に「992型」となる新型ポルシェ911が発表された。
日本においても2019年1月30日から911カレラS(1666万円)、カレラ4S(1772万円)、2月12日から911カレラSカブリオレ(1891万円)、911カレラ4Sカブリオレ(1997万円)の価格が発表され、予約受注が開始されている。
このニューモデルの発売を心待ちにしている人もいるだろう。そのいっぽうで、歴代のポルシェ911には根強いファンが存在し、多くが現役として日本の路上を走っている。
なぜ人々はポルシェ911に惹きつけられるのか? 歴代の911オーナーに話を伺い、その魅力に迫ってみた。このクルマに浸れば極楽も底なし沼も、あり!?
文&写真/松村 透(クルマ業界に精通するディレクター兼ライター)
初出/ベストカー2019年2月26日号
※掲載データは2019年1月15日現在のものです
■今、屋台骨を支えるのはSUVだが911は別格!!
ポルシェジャパンのプレスリリースによると、2018年におけるポルシェの日本国内新車販売台数は前年比3.5%増、過去最高の7166台を記録。JAIA(日本自動車輸入組合)の統計によると、フィアット(6014台)よりも多く、ルノー(7253台)に迫る台数だ。
これには過去最高の販売台数を記録したパナメーラや、新型カイエンが貢献しているという。世界規模で見ても、2018年度の上半期において過去最高記録となる13万598台を記録。その内訳は、マカンが4万6600台、カイエンが2万8700台と、このSUV2モデルで半数以上の割合を占めている。
ちなみに、911は2万1400台。いまや、ポルシェの販売台数の屋台骨を支えるのはSUVといえる。
しかし、少なくとも日本市場においては「ポルシェ=911」という図式は揺らいでいないようにも映る。特殊な限定モデルを除いたポルシェの全モデルのヒエラルキーのなかでも、911が最上位にあるという事実はおそらく不変であり、メーカー自身もそう考えているように思えてならないのだ。次ページからの歴代オーナーの声にも、それが滲み出ているに違いない。
では、ナローポルシェ、930型、964型、993型、996型、997型、991型、そしてRUF CTRの計8人のオーナーに話を伺ったので順に紹介していこう。
■1973年式ポルシェ911カレラRS2.7(911型)
「このナナサンカレラが私にとってのゴール」
G.Kさん(50歳)
■購入時期:2003年
■所有年数:15年
■現在の走行距離:不明
■年間の走行距離:1500〜2000㎞
■購入時の金額:当時の相場(700万〜800万円)より安く購入
■年間の維持費:年平均約25万円(車検およびオイル交換代)
多くの911オーナーにとって垂涎のモデル「ナナサンカレラ」のオーナーであるG.Kさん。少年時代からの夢だったこのクルマを手に入れて15年経過したが、その魅力はまったく色褪せることがなく、日に日に手放しがたい存在となっているようだ。
手に入れてから15年間、重整備はほとんどなかったというG.Kさん。それには、定期的なメンテナンスと信頼できる主治医の存在が不可欠だ。しかし、「40年以上も前のクルマなので、予備費として100万円程度確保しておくと安心です」とのこと。
■オーナーさんへの質問&オーナーさんからの回答
Q1:ポルシェ911に興味を持ったきっかけは何ですか?
A1:スーパーカーブームの際、もっとも身近なスーパーカーとして興味を持ったこと。
Q2:どういった用途で愛車のポルシェ911に乗っていますか?
A2:主にツーリングの際に乗っています。
Q3:国産スポーツカーとの違いは何ですか?
A3:何年経っても安心したパーツの供給が得られることです。
Q4:メンテナンスする際、重視しているポイントを教えてください。
A4:何より、信頼できる主治医の存在が大きいです。
Q5:ほかに気になるクルマはありますか?
A5:フェラーリ250SWB・GTO・ルッソ、365GTB4、ランボルギーニミウラ(すべて夢ですが……)。
Q6:新型ポルシェ911(992)は気になりますか?
A6:このクルマが“アガリのクルマ”だと思っています。
Q7:あなたにとって究極のポルシェ911とは?
A7:1967年911R
Q8:ズバリ、ポルシェ911の魅力とは?
A8:私が所有するナローポルシェと呼ばれる時代の911から最新型まで同じ感覚で運転できることです。
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