軽トラック年間ランキングに続き、今回は「軽バン」ランキングをお届けしよう。市街地では軽トラックよりも多く目にする軽バン。
2018年はホンダN-VANの登場により、ホビーユースのクルマとしても大きな注目を集めたのは記憶に新しい。
しかし元来は配送などに従事する働くクルマ。その積載性、経済性のよさが大きなポイントになる。軽トラックのように実用性を追い求めているものの、やや個性が光るのも軽バンの特徴かもしれない。
ホビーユースとしても人気の軽バンで売れているクルマはいったい??
文:永田恵一/写真:トヨタ、ダイハツ、日産、ホンダ、スズキ、三菱、マツダ、スバル
※販売台数データは2018年のもの
※スズキ、日産は詳細データは非公表
■スズキエブリイが6000台差で栄冠に輝いた
【1位 スズキエブリイ 7万6611台(2015年2月登場)】
エブリイは1998年に軽の規格が現在のものになって以来前輪は短いノーズの下にあり、エンジンは前席下に縦に積むという現行の1BOXバンではオーソドックスなパッケージングを持つ。
グレード体系は「いかにも商用車」という印象の簡素なリアシートとなるものに加え、ヘッドレストも付き乗用車用に限りなく近いリアシートなどを備える豪華なJOIN系もある。
JOIN系には長距離ドライブでも申し分ない動力性能を持つターボ車も設定される。
エブリイはここ10年ほどでキャンピングカー業界の柱の1つになった「軽キャンパー」のベースに使われることも多い。
筆者は現行エブリイのJOINターボ(AT+4WD)ベースの軽キャンパーで6000km近く一人旅をしたことがあるが、スペースは1人なら寝泊りしても十二分。動力性能も問題なく燃費も悪くない。
4人乗りの乗用車としても使えると、サイズと実用性のバランスは世界トップレベルと断言できる。こんな便利なクルマが140万円台前半で買えるのは世界できっと日本だけだろう。
■2位はハイゼットカーゴがランクイン
【2位 ダイハツハイゼットカーゴ 7万139台(2004年12月登場)】
ハイゼットカーゴは軽トラック業界のハイゼットトラックとキャリイの関係のようにエブリイとほぼ同じ成り立ち。
軽1BOXバン業界ではエブリイと二強を構成する存在だ。ハイゼットカーゴは登場こそ古いが、2017年11月など大きなマイナーチェンジを重ねながら商品力を維持している。
グレード体系はシンプルな系統と、エブリイのJOIN系に相当しターボ車もあるクルーズ系がメインとなる。
しかしラインナップをよく見るとリアシート後方がトラックの荷台のようになっている「デッキバン」もある。小さなピックアップトラックのようだ。
また2シートでリアがサイドウインドウを鉄板にしたブラインド仕様といったマニアックなグレードがある点も見逃せない。
機能面でもハイゼットトラックと同様に軽商用車用と考えれば十分な性能を持つ自律自動ブレーキSAIIIを幅広く設定し。
全グレードにアイドリングストップも付くなど、モデルは古いながらも時代の変化に合わせたアップデートはしっかり行われており、このあたりが売れている大きな理由だろう。販売統計を見ると
●人気グレード
デラックス:約40%
クルーズ系:約30%
スペシャル:約20%
デッキバン:約 5%
その他:約 5%
(分析)
乗用車代わりにも使えるクルーズ系とデッキバンもしっかり売れており、ハイゼットカーゴが需要を忠実に反映した商品企画を行っていることがよく分かる。
●SAIII装着率 約60%
装着率は約60%とハイゼットトラックと同等で、やはり「走行距離が多く事故に遭う可能性も高い商用車にこそ自律自動ブレーキが欲しい」という潜在的な需要は大きいといえる。
●トランスミッション/駆動方式
4AT:約85%
5MT:約15%
2WD:約65%
4WD:約35%
(分析)
軽1BOXバンは軽トラックとは異なり街乗りの近い乗り方が多く、圧倒的に2WD+ATが優勢
●ボディカラー
ホワイト:約40%
シルバー:約35%
その他:約25%
(分析)
その他というのはハハイゼットトラックと同じようにオプションでミントグリーン、ピンク、ライトブルー、パールホワイトが設定されているため。
軽1BOXバンにもこういったボディカラーを設定し、それなりに売れているというのは英断といえるだろう。
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