トヨタのプレミアムブランド、レクサスが2020年2月3日に全世界での2019年の新車販売台数を発表した。それによると76万5330台と対前年比110%と過去最高だった。
日本には2005年にレクサスブランドが導入されたが、2019年の販売台数は約6.2万台と対前年比113%と堅調に延びている。
2005年に日本にレクサスが導入された当時はセダンのGS、ISそしてオープンカーのSCというラインナップだったが、現在レクサスの販売台数を牽引しているのはSUV系の車種である。
現在、レクサスのSUVラインナップは車両本体価格1000万円オーバーのフラッグシップモデルのLXと筆頭に、3列シートモデルを用意する主力モデルのRX。スポーティなミドルサイズSUVのNX。
そしてプレミアムコンパクトSUVのUXと4タイプを用意。LX以外にはすべてハイブリッド車を用意するという充実したラインナップで人気を博している。
しかし、レクサスSUVの新車価格はさすがに高い。中古車であれば手が届くのではないかという淡い希望を持っている人も多いハズだ。
そこで、新車だけでなく中古車のコアモデルとして注目されているRX、NX、UXの3モデルの中古車事情をモータージャーナリストの萩原文博氏が解説する。
文/萩原文博
写真/トヨタ ベストカー編集部
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レクサスRX/2015年10月発売
■中古車平均価格:約500万円 ↓3ヵ月で約26万円値落ち

まずは、日本市場で最も売れているレクサスモデルといえるRXから。日本市場において2代目となる現行型RXは2015年10月に登場。
グレード構成は2L、直列4気筒ターボエンジン+6速ATのRX200t(2017年12月にRX300に車名変更)と3.5L、V6エンジン+モーターのハイブリッドシステムを搭載したRX450hの2タイプ。
そして装備の違いによって各モデルにスタンダード、バージョンL、Fスポーツがそれぞれ設定されている。
2017年12月にはRX450hに3列シート仕様のロングボディ車、RX450hLを追加。
そして、2019年8月にはマイナーチェンジを行い、内外装に変更を加えた。エクステリアではスピンドルグリルはL字モチーフのブロックメッシュパターンとなり、グリルフレームをバンパーサイドからの流れに呼応した形状とした。
ヘッドランプはユニット形状が小型化され、リアコンビネーションランプは上部にL字を4つ重ねたモチーフを配し、下部はそのモチーフを反転させた造形とした。
また、ボディにスポット溶接の打点を増やしたり、構造用接着剤の範囲を拡大させるなどを行い静粛性と走行性能を向上。
さらに、3列シート仕様のRX450hLはサードシートにスライド機構が付き、荷室モードと乗客モードが選べるようになったのをはじめ、オプションで2列目キャプテンシートを選べるようになった。

新車販売台数が順調な現行型レクサスRXは中古車の流通台数も約640台とレクサスの中でもトップレベル。
3ヵ月前の2019年11月が約500台だったので3ヵ月で100台以上中古車が増えている。
流通する中古車の平均走行距離は約2.6万kmで安定しているものの、平均価格は3ヵ月前の約526万円から現在は約500万円と3ヵ月で約26万円という大幅な値落ちを記録。
人気車であるレクサスRXの中古車は買いのタイミングを迎えている。現在の中古レクサスRXの価格帯は約320万~約1170万円と非常に幅広い。
そして中古車のグレード構成は450hバージョンL 4WDが約132台で最も多く、450h Fスポーツ、450hバージョンLと高額なハイブリッド車が独占。
RXの中古車を割安で狙いたいならば2Lターボ車だ。しかも走行距離も少ない中古車が見つかりやすい。
レクサスNX/2014年7月発売
■中古車平均価格: 約368万円 ↓3ヵ月で約12万円の値落ち
続いてはレクサスNX。レクサス初のコンパクトクロスオーバーSUVとして2014年7月にデビューしたが、全長が約4.6mもあり、UXが追加されたことからミドルサイズSUVのカテゴリーに分類される。
グレード構成は2L、直列4気筒ターボ+6速ATを搭載するNX200t(2017年のマイナーチェンジでNX300に変更)、そして2.5L、直4ガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムを搭載するNX300hの2種類。
そしてそれぞれに装備の異なるスタンダード、Iパッケージ、バージョンL、Fスポーツの4タイプがそれぞれ設定されている。
2017年9月にマイナーチェンジを行い、内外装の変更をはじめ、インテリアのカラーディスプレイを10.3インチに拡大。
また、走行性能ではサスペンションのチューニングを行い、操縦安定性と乗り心地を向上させている。
また予防安全パッケージ「レクサスセーフティセンスプラス」を全車に標準装備とするなど走行性能、安全性能、快適性能という全方位でブラッシュアップさせている。

2014年7月に登場したレクサスNXの中古車の流通台数は約800台と非常に豊富で、現行型レクサスSUVの中で最も多い流通台数となっている。
中古車の平均走行距離は約3.1万km付近で横這いとなっているものの、平均価格は3カ月前の約378万円から現在は約366万円へと約12万円の値落ちとなっている。
現在の中古車の価格帯は約210万~約675万円となっていて、走行距離は延びているものの200万円台の中古車は約126台も流通している。
中古車のグレード構成は前期型の200t Fスポーツが最も多く約132台。続いて、200t Iパッケージと2Lターボ車が続き第3位に300h Fスポーツとハイブリッド車がランクイン。RXとはグレード構成が大きく異なるのが特徴だ。
さらに、予算を200万円台に絞ると、最も多いのが200t Iパッケージ、そして300hバージョンL、300h iパッケージと様相が一変。レクサスNXの中古車は搭載されているパワートレインよりもスポーティなFスポーツ外しが、お買い得車を見つけるコツといえる。
レクサスUX/2018年11月発売
■中古車平均価格:約450万円 ↓3ヵ月で36万円の値落ち

最後は2018年11月に登場したレクサスSUVで最もフレッシュなレクサスUXだ。C-HRベースとは思えないしなやかな走りが特徴で、ヒットモデルとなっているUX。
グレード構成は2L直列4気筒ガソリンエンジン+CVTを搭載するUX200と2Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムを搭載するUX250hの2種類。
それぞれに装備の異なるスタンダード、バージョンC、Fスポーツ、バージョンLという4種類の仕様を用意している。
まだ、販売開始されてから約1年3ヵ月しか経過していないが、早くも中古車市場には約70台の中古車が流通している。
年明けから中古車が増え始めて、3ヵ月前の倍近くまで増えたのが特徴だ。それに伴い中古車の平均走行距離得も約5000kmから約8000kmまで延び、平均価格も3ヵ月前の約486万円から約450万円まで下がっている。

中古車のグレード構成はハイブリッド車の250h Fスポーツが最も多く、次いでガソリン車の200 Fスポーツとスポーティグレードが上位を占め、第3位が200バージョンLとなる。
現在の中古車の価格帯は約374万~約660万円となっており、価格の安い中古車でも走行距離は少なめで、グレードはガソリン車、ハイブリッド車問わずバージョンCが多い。
同じレクサスのSUVでもRXは豪華仕様のバージョンLが人気でNXやUXはスポーティなFスポーツが人気とモデルによって人気グレードがハッキリと分かれている。
UXはまだ新しいモデルなのでバリュー感は高くないが、NXやRXの初期モデルはかなりコストパフォーマンスが高くなっている。