ボク、タコ型火星人。最近テレビでも雑誌でもボクの姿なんて扱われないからまだいたのかって思れそうだけどまだいたの。でね(勝手に話を進める)、今日はボクみたいな仲間がたくさんいるなー励ましたいなーと思って、自動車メーカー巡りをすることにしたんだ。まずはトヨタさんちから。
【画像ギャラリー】地球外からまで不憫に思われてる…!?? とはいえ言われてみるとまだいたの? な、クルマたちをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年5月のものです/構成&台本=責任:清水草一/初出:『ベストカー』 2020年6月10日号
■トヨタ家
お屋敷のすみっこに、プリウスα君をハッケン! 長男のプリウス君はとっくに代替わりしてるのに、がんばってるね!
プリウスα「9年前にデビューした時は、納車1年待ちだったのに、そんな皮肉言われるなんてグヤジイ!」

タコ「どうしてモデルチェンジしてもらえないの?」
プリウスα「7人乗りのハイブリッドカーなら、もっと室内が広いのがいっぱいあるからだってさ。飼い殺しだよ」
続いてハッケンしたのはプレミオ/アリオンの老夫婦。見るからにお年を召してるね。

プレミオ「ばあさんや、わしらにもそろそろお迎えが来る頃かのう」
アリオン「あとを継いでくれる人がねぇ、来そうでなかなか来ませんねぇ」
プレミオ「このままひっそりと100まで生きようかのう」
アリオン「そうですよおじいさん。死んだって忘れられるだけですから」
ずっと地味にがんばって! トヨタ家は広いだけにまだまだ日陰者が! ポルテ/スペイドは8年。カローラアクシオ/フィールダーなんか、子どもがあとを継いだのに、まだ親も現役なんだ。なんで?


アクシオ「そりゃアンタ、どうしても小柄な5ナンバーがいいっていう馴染み客がいるんだよ。主に営業用だけど」
■レクサス家
トヨタ家のペントハウス『レクサス』に行ってみたら、ここにもまだいたよ。LXは海外ではもう13年。

そしてビックリしたのは、CTがまだ生きてたこと! キミ、ベースは旧型プリウスだよね?

CT「レクサスにとって、僕は大事なベーシックカー。いないと困るんだよ!」
ものは言いようだね(辛)。
■ダイハツ家
トヨタ家の棟続きのダイハツ家では、肩身を狭そうにしてるふたりをハッケンしたよ。がんばってるね!
ウェイク「オレ、背が高すぎたみたいだ……。頭が天井につかえて、生きるのがつらい」

キャストスタイル「僕なんか、三人兄弟のうち、スポーツとアクティバがこの前死んだばかりさ……。僕も長くはないかも」

う~ん、地球は諸行無常だなぁ。
■ホンダ家
続いてホンダ家へ。地味に肩身が狭そうなふたりをハッケン。シャトルもグレイスも、本家のフィットが代替わりしたのに、取り残されているね。
シャトル「俺たちも生まれ変われるかな?」

グレイス「私は新型がタイで生産が始まってるから、可能性はあるわね。でもあなたは先がないかも!」

わぁ残酷! ステーションワゴンは、どの家でも立場が厳しいんだね。
■マツダ家
マツダ家では、CX-3が居心地悪そうにしてた。どうしたの? 元気出して!
CX-3「急に兄貴(CX-30)が出てくるなんて、聞いてないよ!」

どうも、お家騒動みたいだね。
【関連記事】5月18日に商品改良が発表されモデル継続が決まったCX-3。とりあえず良かったね!?
富士家では、レガシィB4がさみしそうな顔しているよ。大丈夫かい?
■富士(スバル)家
B4「大丈夫もなにも、アメリカでは新型が出たのに、オレ、このままでいいのかな?」

どっちにせよ日本じゃおっきすぎて売れないから、どっちでもいいんだろうね……。あ、でもそんなこと、本人の前じゃ言えないや!
■ニッサン家
ところ変わってニッサン家。わあ、ここにもいるいる! おっさん臭いセダンたちがまだ3台もいた~!
シルフィ「私は中国では大ヒット車よ!」

ティアナ「俺だってそうだ! 日産の屋台骨を支えてるのは俺たちだ! 日本での地味扱いは許せん!」

まだまだ鼻息荒いなぁ。でも実はシルフィちゃん、中国ではすでに新型になってるんだよね……。ところでシーマさんは?
シーマ「どーせ、まだいたのかって思ってんだろ!?」
正直に言えば。でも日産の最高級セダンだから、なくそうにもなくせず、静かに長生きできそうでよかったよ!
シーマ「くっ…」

マーチ「僕はあんまり先は長くないだろうな。欧州では名前の違う後継車が活躍中だし」

でもキミは日産のボトムレンジを担うクルマだから、ひょっとして放置のまんま長生きがまだまだできるかも!
マーチ「まさかこんな日陰の人生になるなんて……。先祖たちは華やかだったのに!」
大丈夫! 分家のミツビシ家には、もっと恵まれないコがいるから!
■ミツビシ家
i-MiEV「まだ生きてるぞ~」

ほとんど地縛霊化してるね。でもキミは貴重なEVだから、まだ長生きするさ! だって後継モデルが作れないから!
i-MiEV「化けて出てやる~!」
励ますつもりだったけど、呪われそうだね。

■スズキ家
最後はスズキ家。ここでも恵まれないコをハッケンした。
バレーノ「なんでオレを無理矢理インドから連れてきたんだ。本場のカレーが恋しい!」

SX4 Sクロス「私の顔、どうしてBMWのできそこないみたいになっちゃったの? 私の顔を返して!」

とにかくみんながんばって~~! なんかボクまで気分が暗くなってきちゃったので火星に帰ります! タコタコ。
【番外コラム】まだいると思ったらもういなかったクルマ
2008年に発売された3代目キューブ。
2代目が大傑作だっただけに、いまひとつな感はあったものの、なにせクルマの立方体化の先駆者。売れゆき不振でも「生きていてくれさえすればいい」と感じていたが、昨年いっぱいで生産が終了していた~~! 涙。

N-BOXスラッシュも意欲的なクルマだった。N-BOXをベースに、ハイトワゴンにとっての命の全高を低めて内装に凝り、プレミアムな軽自動車世界を提案したが、N-BOXが新世代に移行して2年半。この2月、ついに生産終了となりました。

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