プレス技術も塗装ロボットも大進化! 高岡工場が支えたカローラの品質
カローラの進化を支えてきたのは開発部門だけではない。実際にクルマを作り続けてきた高岡工場の生産現場でも、60年間にわたり大きな技術革新が積み重ねられてきた。
高岡工場車体部次長・中山等氏はプレス技術の進化について紹介した。かつての車体製造では、複数のパネルをプレス加工した後、それらを接合する工程が必要だった。
しかし、大型プレス設備の導入によって、従来は分割して製造していた部品を一体成形できるようになったという。これによって車体の仕上がり品質は大きく向上した。
中山氏は、信号待ちで前のクルマの後部を眺めると、昔のクルマではパネルの接合部分などに微妙な歪みが見えることがあったが、現在のクルマではそうした部分の仕上がりが格段に美しくなったと説明した。こうした品質向上の裏側には、大型プレス機をはじめとする生産設備への投資と、製造技術の進歩がある。
続いて高岡工場塗装成形部次長の川名雄二氏は、塗装工程の自動化について振り返った。2007年頃の新しい生産ライン立ち上げでは、塗装ロボットの導入が大幅に進められた。
それまで人の手で塗装していたドアの内側なども、ロボットによる塗装へと切り替えていったという。ただし、ロボットを導入すればすぐに高品質な塗装ができるわけではない。
熟練作業者が長年の経験によって身につけた塗装技術を、ロボットに覚え込ませる必要があった。塗装する位置や動き、塗料の吹き付け方などを細かく調整し、品質を安定させるまでには大変な苦労があったという。
それでも試行錯誤を重ねることで、安定した品質を確保できる生産ラインへと進化させてきた。
そして高岡工場組立部次長の広瀬茂樹氏からは、クルマが大きくなり、構造が複雑になっても、安全かつ高品質に組み立てるための取り組みが語られた。
時代とともにクルマの構造や生産設備は変わっていく。しかし、変えてはいけないものもある。それが、トヨタのモノづくりで大切にされてきた「よい品(しな)、よい考(かんがえ)」という精神である。
無理、無駄、ムラをなくし、より効率的に、より品質の高いクルマを作る。そのためには、現場で働く一人ひとりが知恵を出し合い、改善を積み重ねることが欠かせない。
さらに、働く人たちが笑顔でクルマづくりに取り組める職場であることも大切だという。働く人が誇りを持って作ったクルマだからこそ、お客様にも喜んでもらえる。そんなモノづくりへの思いが、カローラの品質を支えてきたのである。
開発と生産が一体となって世界へ! 次の時代にも受け継がれるカローラ魂
座談会では、開発部門と生産現場の連携についても話がおよんだ。安井氏によれば、かつては開発が進んでから生産現場との調整を行うこともあったが、現在では設計段階から工場の担当者に図面を確認してもらい、製造のしやすさや品質確保について議論を重ねているという。
設計者だけで考えるのではなく、実際にクルマを作る人たちの知識や経験を開発に反映させる。こうした取り組みが、よりよいカローラを生み出す原動力になっている。
さらに、高岡工場は日本国内だけでなく、海外工場へ生産技術や品質管理のノウハウを伝える役割も担ってきた。
世界各地でカローラが生産されるようになった現在、どこの工場で作られたクルマでも、お客様に安心して乗ってもらえる品質を確保することが重要となる。
そのため、高岡工場で培われた技術や経験を海外の生産現場へ伝え、世界全体で品質を高めていく取り組みが続けられている。
そして奥平氏は、カローラが60年もの長きにわたって愛されてきた理由について、お客様の愛情、開発や生産に携わってきた人々の思い、そしてクルマを届ける側の情熱があったからこそだと振り返った。
安井氏も、カローラを育ててきたお客様や関係者への感謝を述べるとともに、これからも時代の変化に対応し、新しい価値を創造しながら進化していくことが重要だと語った。




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